伊藤園、2013年度決算増収増益も飲料市場の競争激化で販促費かさむ

「お~いお茶」シリーズが好調の㈱伊藤園。2014年4月期決算は、売上高4377億5500万円(前年同期比8.4%増)、営業利益211億円(4.2%増)、経常利益205億1800万円(3.0%増)、純利益120億9600万円(7.6%増)と5年連続の増収増益だった。ただし、期初予想の売上高4400億円、経常利益215億円には及ばなかった。

要因の一つは、PB参入が加速する競争激化と、それに伴う販促費負担の増加。
もう一つが今年2月の大雪に見舞われた天候不順だ。

カテゴリー別にみると、主力緑茶は、「お~いお茶」シリーズは緑茶、濃い味、ぞっこんともに昨年リニューアル。その効果もあり、4050億円市場の35%、1413億円を売り上げた。

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(伊藤園HPより)

緑茶リーフは市場がシュリンクしていて、現在、2632億円の市場だが、その中でティーバッグ、インスタントの簡便製品が伸びている。伊藤園も簡便性製品のラインナップを強化しており、41.1%シェアで1位の座を確保。

「充実野菜」「1日分の野菜」を投入する野菜飲料カテゴリーでは、1644億円市場の29.9%シェアを獲得して、こちらも堅調。

そして利益に貢献したのがタリーズ事業だ。 
2006年10月に連結子会社化したあと、年々業績を伸ばしており、期末店舗数513店舗で210億円。営業利益26億円の事業に育ってきた。
タリーズブランドを生かしたボトル缶コーヒーも独自の地位を築きつつある。

伊藤園は『世界のティカンパニー』を長期ビジョンに掲げ、中期的には2017年4月期に、連結売上高5000億円を目指している。

伊藤園によれば2013年の飲料市場は3兆6800億円。2017年4兆円市場と仮定すると12.5%のシェアが目標となる。伊藤園の強みは茶畑から製品化までの品質コントロールによる緑茶のブランド力。その評価は海外でも高い。

しかし、飲料市場はメーカー5社が8割を占める寡占化マーケット。そこに、小売り各社の低価格PB投入が進んでいる。若年層のアルコール離れによる炭酸飲料へのシフト、高齢者層の健康志向、飲用増加など、需要増加の好要因はあるが、各社の競争はさらに厳しさを増す。

飲料市場に限らないが、カテゴリー別に製造業でも、寡占から三占、三占から複占へ。それがマーケットの流れになっている。

検索ワード: 伊藤園 タリーズ 寡占 複占

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