H2O、2017年営業利益300億円体制で関西ドミナント強化を構想する 

エイチ・ツーオーリテイリング㈱(以下H2O)は2015年度から2024年の10年間の長期事業計画「GP10-II(2015-2024年度)」をスタートするにあたり、2017年までの中期3カ年計画を発表した。
重点施策は以下の3つ。
1.経営効率の向上による利益の拡大
2.関西における生活総合産業の構築
3.長期大型プロジェクトの推進

この3つの施策によって、2017年度の連結業績は売上高9500億円、営業利益300億円、経常利益295億円、ROE6.0%を目指す。
営業利益300億円の内訳は、百貨店事業180億円、スーパーマーケット事業40億円、イズミヤ事業70億円、その他事業(ホテルなど)66億円。

H2Oは関西ドミナント化戦略として、2014年にイズミヤ㈱を経営統合。
これによって京阪神から関西広域へ店舗ネットワークを広げ、また百貨店から総合スーパー・食品スーパーマーケットまで幅広いチャネルを持つ小売グループになった。

拡大した各資産を効率の観点から見直し、低効率事業や赤字事業、重複事業については、効率化や統合、再編、グループ全体の共通インフラ化などを行う。そのうえで既存事業の利益を伸ばす。

また、将来に想定されるM&Aや提携などの案件にもスピーディに対応できる財務体質の構築を目指す。

食品スーパーマーケットは郊外から大阪市や京都市内へと都市部へシフトしていくことで、関西ドミナント化戦略をさらに進める方針だ。阪食が標榜する「高質食品専門館」のマーチャンダイジングを都市部のライフスタイルに対応したものへと、さらに進化させる。
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プロセスセンターや物流センターの活用により後方施設やオペレーションの効率化を図りつつ、小型(約500㎡)の都市型プロトタイプ店舗を作りあげる。年間7~8店舗ペースで出店を進め、2017年度には店舗数100店舗体制を目指す(2015年4月末時点は79店舗)。

経営統合によってグループ入りしたイズミヤ事業は、「食品スーパー」を主力とし、同社経営理念「ええもん安い」を具現化した新プロトタイプ店舗を早期に確立したいとする。この店舗戦略の変更に合わせて、店舗オペレーションやシステムも食品スーパー型へ見直す。また阪食との共同商品調達の実施や、プロセスセンターや物流機能、惣菜製造における両社間の役割の見直しや再編・統合などを行う。

 

H2Oのドミナントエリアの人口は約2000万人。その需要を囲い込むビジネスモデルとして「生活総合産業」を構築し、営業利益300億円体制を目指していく。けん引役は阪急梅田本店と阪急オアシスということになる。けん引役が鮮明で、全社の意思統一が図られていることが、H2Oの強みとなっている。もちろん阪急百貨店梅田店はずっと関西ナンバー1の地位を堅持しているから、阪食による高質食品専門館のフォーマット確率がH2Oの全体構想の新たな礎となっている点は見逃せない。

 

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