ヤオコー第3四半期は増収増益、エイヴイとの化学反応は来期

ヤオコーは2月10日、2017年3月期第3四半期(2016年4月1日~12月31日)の業績を発表した。

3四半期を通した累積の売上高は2600億7600万円(前年同期比5.9%増)、営業利益141億2600万円(2.1%増)、経常利益139億1300万円(2.6%増)、当期利益93億7800万円(6.3%増)となり、増収増益となった。

現在、第8次中期3カ年経営計画における2年目のヤオコーは、「スーパーではなく、『ヤオコーと呼ばれる存在へ』」をテーマに掲げ、「商品・販売戦略」、「運営戦略」、「育成戦略」、「出店・成長戦略」の4つの課題達成に向けて取り組んでいる。それによって従来から掲げる「食生活提案型スーパーマーケット」の充実と経営基盤の強化を推進している。

店舗における旬・主力商品の重点展開など販売力強化に注力し、商品面と販売面の両輪から「商品育成」を進めた。
とくにデリカ・生鮮センター活用の精度を高めることによって、店舗の作業負担軽減と並行して、品揃えの強化を図った。

ヤオコーの営業政策は両極を抑える作戦だ。
まずアップスケールされた店づくりを特徴とするヤオコーだが、EDLP(エブリデーロープライス)政策を強力に進めている。「ヤングファミリー層」(子育て世代)は節約志向だ。それに、あらゆる年代層、あらゆるライフスタイルを重視するお客からの支持拡大を図るにはEDLP政策は必須である。

一方で、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)を活用して、ターゲティング戦略を採用し、ターゲット顧客を明確にした販促企画やマーケティングを展開した。お客目線による従業員の接客意識の向上への取組みにも注力した。

店舗運営については、レイバースケジューリングシステム導入の過程にある。作業工程の見直しをベースに、生産性向上モデルの水平展開を拡大している。さらに、一部店舗でのセルフ清算レジ導入をはじめとするIT化、機器導入、アウトソーシングによる業務効率化を重点的に推進した。

店舗については、4月に浦和中尾店(埼玉県さいたま市)、千葉ニュータウン店(千葉県白井市)、10月に柏南増尾店(千葉県柏市)の3店を出店した。

さらに中之条店(群馬吾妻郡中之条町)のスクラップ&ビルドによるリニューアルオープンを実施した。みつわ台店(千葉県千葉市)、入曽店(埼玉県狭山市)、前橋関根店(群馬県前橋市)、川越新宿店(埼玉県川越市)をはじめ計8店舗については大型改装を実施した。

スクラップ&ビルドの実施に伴って、8月下旬から岡部店(埼玉県深谷市)と行田門井店(埼玉県行田市)の2店を閉店した。

また、ヤオコーにとっては大きな転換政策だが、2016年10月10日にエイヴイ(株)のグループを完全子会社化することで合意した。

エイヴイは、三浦半島を第1次商圏として、現在、横須賀市の5店舗を中心に、東京都町田市などにも、食品スーパー「エイヴイ(ave)」を運営。合計で10店舗を展開している。

「圧倒的な品揃え」と「低価格」、「ローコストオペレーション」を徹底的に追及することによって、エイヴイはユニークな店舗スタイルを実現してきた。

ヤオコーでは、ディスカウントフォーマットをグループに加えたことで、エイヴイとの連携強化を通じて、結果としてマーケットシェアの緊密化を図っている。つまりヤオコーとエイヴイのダブルフォーマットで、占拠率を上げていこうという戦略である。

ヤオコーは、関東圏に250店舗・売上高5000億円を目標に掲げる。エイヴイの10店を加えたことによる効果は来期、売上げの数字として反映されるだろう。しかし、経営政策における両社の化学反応が、より具体化するのも3カ年計画の3年目の来期ということになる。

通期(2016年4月1日~2017年3月31日)は、売上高3385億円、営業利益143億5000万円、経常利益140億円、当期利益94億円の見通し。

ヤオコーワカバウォーク店
<ヤオコー ワカバウォーク店>

検索ワード:ヤオコー 第3四半期 エイヴイ スーパーマーケット ダブルフォーマット

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧