ヤオコーがエイヴイを完全子会社化「経営の化学反応?」

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ヤオコーは10月10日、エイヴイグループ(株)「エイヴイと関係会社のエイヴイ開発(株)」の発行済株式の全部を取得し、完全子会社化することで合意した。

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〈ヤオコー東大和店〉

エイヴイは、神奈川県南部の横須賀に本部を置く、地域密着型の食品スーパーマーケット。前身は昭和40年に設立した(株)木村商店。昭和58年にエイヴイと改名し、チェーンストア経営に乗り出した。

三浦半島を第1次商圏として、現在、横須賀市に5店舗を出店している。近年は第2次商圏確立に向け、茅ケ崎市、綾瀬市、大和市、東京都町田市などにも、食品スーパー「エイヴイ(ave)」を運営。合計で10店舗を展開している。

特徴は、「圧倒的な品揃え」と「低価格」、「ローコストオペレーション」で、これを徹底的に追及することにより、新たな店舗スタイルを実現してきた。とくにスーパースーパーマーケット(SSM)を核に、コンビネーションストア(CbS)などの業態を積極的に開発していることでも知られる。

ヤオコーは、基本経営戦略である「豊かで楽しい食生活提案型スーパーマーケット」づくりを目指し、平成28年9月末現在、関東圏に150店舗を展開。

現在は、第8次中期経営計画の2年目にあたり、「スーパーではなく、『ヤオコー』と呼ばれる存在へ」をメインテーマに掲げている。「食品・販売戦略」、「運営戦略」、「育成戦略」、「出店・成長戦略」の4つの重点戦略を柱に、食生活提案型スーパーマーケットのさらなる充実と経営基盤の強化に取り組んでいる。

商品面では、とくにデリカ・生鮮センターを活用することによって、店舗の作業負担軽減と平行して、品揃えの強化を進めた。

また、店舗では4月に浦和中尾店(埼玉県さいたま市)、千葉ニュータウン店(千葉県白井市)の2店舗を開設。さらに4月に竜ケ崎店(茨城県龍ケ崎市)、6月に藤代店(茨木県取手市)の2店舗で大型改装を実施し、既存店の活性化も図った。

平成29年3月第1四半期の営業収益は8429億円(前年同期比6.1%増)、営業利益は4272億円(同1%増)、経常利益は4229億円(同2.1%増)、四半期純利益は2854億円(同4.0%増)と好調に推移している。

今回のエイヴイの完全子会社化により、ヤオコーが目標としているのは、関東圏に250店舗・売上高5000億円。エイヴイは10店だから250店の足しにはならない。5000億円には484億円分貢献する。しかしディスカウントフォーマットをグループに加えたことは、マーケットシェアを密度化には役立つ。ザクッと考えれば、直接の目的はそれだろうが、ヤオコーは人材も「化学反応」を特徴としているから、経営政策も「化学反応」させるという意図だろう。

今後、11月末日(予定)の最終契約書の締結に向けてエイヴイグループの株主との間で協議を進める。

 

<エイヴイの概要>
所在地:神奈川県横須賀市平成町1-5-1
代表者:代表取締役木村忠昭
事業内容:スーパーマーケット事業
資本金4億円
設立年月日:1983年10月12日
株主:木村商店57.55%、エイヴイ開発42.45%
2016年3月期の業績:売上高483億7900万円、営業利益22億8500万円、経常利益28億3000万円、当期純利益17億1900万円

 <エイヴイ開発の概要>
所在地:神奈川県横須賀市鴨居3-11-7
代表者:代表取締役木村忠昭
事業内容:取引に関する情報の斡旋並びに提供、店舗開発及び市場調査、ショッピングセンタ-の開発・管理及び運営
資本金:4900万円
設立年月日:1985年7月25日
株主:木村忠昭29.86%、個人5名70.14%
2016年3月期の業績:売上高6800万円、営業損失5億2000万円、経常利益9億5600万円、当期利益9億5600万円

検索ワード:ヤオコー エイヴイ スーパーマーケット

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