イオングループ2社・1人、厚生労働省&高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用に関する各賞」受賞

日経MJは9月16日版一面で「巨艦イオンの反省」というタイトルの特集を組んだ。しかし一方で、イオンは9月9日、障がい者雇用に関する各賞を受賞している。

グループ企業の2社と1名の個人が、厚生労働省及び独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下、同機構)が行う、障がい者雇用に関する各賞の表彰を受けた。
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〈PT-OT-ST.NETより〉

まず第1に、イオンスーパーセンター株式会社は「平成27年度障害者雇用職場改善好事例募集」の優秀賞:同機構理事長賞を受賞。

第2にアビリティーズジャスコ株式会社の従業員1名とイオン株式会社が、「平成27年度障害者雇用優良事業所等表彰」の厚生労働大臣表彰、同機構理事長表彰、をそれぞれ受賞した。

第1の賞はイオンスーパーセンター(株)。同社は前提として、2014年から「ダイバーシティ推進」を会社方針の一つに据え、障がい者の方をはじめ多様な価値観を持つ従業員にとって「働きやすい、働き甲斐のある」職場の構築に努めている。その一環として今年4月から、障がい者従業員のテレワーク(在宅勤務)制度を導入した。これによって障がい者従業員のさらなる雇用が促進され、心身の負担が軽減され、同時に作業の効率化が果たされる。

そのために、支援機関の活用などを促進し、社内外と連携することで、精神障がい者及び発達障がい者の雇用の可能性を広げた。

イオンは、この点が評価され、本年度、全国76事例の応募の中から、優秀賞の4事業所の一つとして受賞。

最優秀賞は株式会社ニッセイ・ニュークリエーションだった。同社は日本生命の特例子会社で、今回の受賞に際しては、社員の職場定着に向けて社内だけでなく、就労支援機関、医療機関、家族も含めた連携を強化した「お互いを理解し支え合うネットワーク の構築」、さらに精神・発達障がい者等に対する個々の対応事例をまとめた「ヒューマンケア集」、新入社員のアドバイザーを担当する社員への研修・連絡会の実施等、障害の個別性に対応した取組みが評価された。

 

イオンに関する第2は、アビリティーズジャスコ(株)の受賞。

同社は、障がい者が主役となり、健常者や社会と協力し合いながら働くことを目的としてスタートしたが、書籍やCD、DVDの販売店「スクラム」の運営を主な事業としている。さらに、グループ内外の障がい者に向けて事業所内訓練や就職活動のサポートも行っている。

具体的には、第1のイオンスーパーセンター(株)でテレワークをしている障がい者従業員に対して、指導や面談等の支援をしている。そこでアビリティーズジャスコ(株)従業員1名が、障がいを克服し模範的な職業人として長期勤続している点が認められ、全国の受賞者25名のうちの一人として表彰された。ちなみに2009年にも同社の従業員1名が同賞を受賞。

イオンスーパーセンターはディスカウント・フォーマットではあるが、今年4月、テレワーク制度として「在宅勤務(自宅での勤務)」と「モバイルワーク(出張先などでのモバイルパソコンを使っての勤務)」の2つの新しい働き方を全社で導入。その取り組みを進める中で、現在、4名の障がい者従業員が「在宅勤務」を選択し、電卓を使用した集計作業やパソコンの入力作業等、店舗や本社の業務の一部を自宅で行っている。

障がいの特性上、接客やコミュニケーションが困難で、店舗や本社での勤務が難しい従業員も、テレワークによるパソコンを使った業務など、各自の得意なスキルを活かし活躍することができる。

また自宅で個人のペースで業務に集中できるため、店舗内に比べ作業効率が上回るという自社調査結果が出ている。

同社はテレワークを通じて、障がい者の「業務創出」を意図している。さらに自宅などの慣れた環境で個人のペースで働けることから離職率が低下し、安定的な継続勤務を実現する「しくみ」が構築される。

一方、ホールディングカンパニーのイオン(株)は、当然ながら、イオンリテール(株)、アビリティーズジャスコ(株)とともに、障がいを持つ人たちの積極雇用を推進している。その結果、上記の3社合計での障がい者雇用率は継続して法定の2.0%以上を満たしている。しかも継続的な採用と定着に努めている。

この点が認められて、イオン㈱が3社を代表して表彰された。

月刊『商人舎』6月号は【特集】女性が働きたい店・会社・産業である。サブタイトルは、「日本小売業ダイバーシティ」を厳しく中間総括する!!

この特集でも「イオン4つの『ダイ満足』」と題した取材記事を掲載したが、イオンは2013年には、「日本一女性が働きやすく、活躍できる会社 日本一女性が働きたい会社」を目指した。そしてグループの女性管理職比率を2016年までに30%、2020年までに50%にするという目標を掲げた。

その目標の実現に向けて、グループCEO直轄組織として「ダイバーシティ推進室」が設置され、2014年にはグループ各社においても推進体制が整備された。

今後は、障がい者にとどまらず、育児や介護により毎日通勤することが難しい労働者への導入を検討している。さらに制度の拡充を進め、通勤時間を短縮し自宅で効率的に働きたいと考える店長職の従業員への導入を検討している。

 

検索ワード;イオン イオンスーパーセンター アビリティーズジャスコ テレワーク制度

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