スーパーマーケットの年間売上げも10兆突破!総合スーパーは足踏み?

百貨店、コンビニに続き、総合スーパーと食品スーパーマーケットの12月実績が発表された。

まずはスーパーマーケット協会3団体から合同発表されている「スーパーマーケット販売統計調査 12月実績速報版」からチェックしよう。

この3団体とは、ご存じ、一般社団法人日本スーパーマーケット協会、オール日本スーパーマーケット協会、そして一般社団法人新日本スーパーマーケット協会のこと。集計は食品を中心に取り扱うスーパーマーケット275社をパネル企業として調査している。その総店舗数は7478店。

スーパーマーケットの12月総売上高は1兆0088億0861万円で、既存店前年同月比はプラス0.6%だった。9カ月連続で既存店昨対を上回った。

部門別の売上げは以下の通り。
食品合計 8928億3052万円 (プラス1.0%)
 生鮮3部門 3394億6742万円 (プラスマイナス0%)
  青果 1234億4268万円 (プラス0.1%)
  水産 1019億5249万円 (プラス0.3%)
  畜産 1140億7225万円 (マイナス0.5%)
 惣菜 974億5435万円 (プラス3.2%)
 日配 1851億7045万円 (プラス1.4%)
 一般食品 2707億3829万円 (プラス1.4%)
非食品 827億9114万円 (マイナス3.6%)
その他 331億8739万円 (マイナス1.2%)

今月はオール日本スーパーマーケット協会(AJS)が発表を担当。2016年最初の発表者はAJSの松本光雄専務理事。
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「12月はとにかく気温高く、例年と比較して売れ筋が大きく異なった。地域によっては12月の気温が前年対比で5℃以上の暖かく、平均値でも2℃~3℃高かったそうだ。この影響を受けたのが鍋商材。葉物やきのこなどの野菜類、タラや牡蠣などの水産、さらにはすき焼き、しゃぶしゃぶ、おでん、そして鍋つゆ。これらの売上げは大きく前年を下回った。この時期のスーパーマーケットは鍋商材の売上げに頼っている部分があるが、それでも前年プラスだったのは良かった」

「ではなにが売上げに貢献したのか。飲料やサラダ、焼き肉など通常12月の売れ筋とは言えないものが多々、散見された。気温の高い中、各社それぞれ頑張った」

「もう一つ特徴的なことは生鮮品の伸びが安定してきたこと。むしろ生鮮に牽引されてきた状態が通常に戻ってきたか。青果の相場安から水産の不漁の影響、牛肉の高騰など、個々の原因はあれど、総じて、生鮮に依存した売上げ確保の動きは変革期を迎えているようだ」

「12月の重要な季節イベントであるクリスマスは、24日が好調だったものの、今年のクリスマス商戦は平坦だったと回答した企業が多数いた。暖かさがここでも影響したのか、厳しかった。一方で、年末の3日間は天候に恵まれ、好調だったという意見もあれば、年末1週間、かなり厳しかったという声も聞かれる。地域企業によって2015年最後の3日間の好不調が別れたようだ。好天のおかげもあるだろうか、来店客数にかなりの改善がみられた」

12月の速報結果と共に、2015年の年間売上高も発表された。
総売上高は10兆2672億1491万円で既存店前年比プラス1.5%を伸長した。2010年に3団体合同調査を開始して以来、初めて10兆円の大台を超えた。奇しくもコンビニエンスストアと同じタイミング。金額ではスーパーマーケットが上回ってはいるが、伸び率ではコンビニに軍配が上がる。

次に日本チェーンストア協会から発表されている「チェーンストア販売統計 12月度速報」を元に総合スーパーの状況をみていく。日本チェーンストア協会にはイオンやユニーなどの大手総合スーパー業態の企業が多数加盟しているため、総合スーパーの動向としてみることができる。集計企業数は58社、9384店。

12月の総販売額は1兆2948億0130万円で、11月比では21.2%の伸びを示している。ただし、既存店前年同月比はプラスマイナス0%で足踏み状態。

部門別の結果は以下の通り。
食料品 8214億8376万円 (既存店前年同月比 プラス2.5%)
 農産品 1031億6347万円 (プラス1.6%)
 畜産品 983億3671万円 (プラス1.0%)
 水産品 841億6149万円 (プラス1.6%)
 惣菜 987億9265万円 (プラス7.0%)
 その他食品 4370億2944万円 (プラス2.3%)
衣料品 1137億5935万円 (マイナス5.3%)
 紳士衣料 245億2274万円 (マイナス8.2%)
 婦人衣料 294億7289万円 (マイナス6.7%)
 その他衣料・洋品 597億6372万円 (マイナス3.0%)
住関品    2728億8430万円 (マイナス2.7%)
 日用雑貨品 1107億4963万円 (マイナス5.1%)
 医薬・化粧品 383億2595万円 (マイナス6.8%)
 家具・インテリア 647億9086万円 (プラス5.5%)
 家電製品 172億3941万円 (プラス2.5%)
 その他商品 417億7845万円 (マイナス5.9%)
サービス 43億0104万円 (マイナス1.0%)
その他 823億7285万円 (マイナス6.9%)

12月はクリスマスや歳末商戦もあり、食料品部門は全体的に好調。その一方で、今季の記録的な暖冬のため、重衣料が売れず、衣料品部門全体が振るわなかった。家具インテリアや家電が伸長したのは冬のボーナスが出たことが要因か。

そして、2015年1月~12月の通期結果も発表された。
その総販売額は13兆1682億8891万円。既存店昨対はプラス0.7%とわずかに増加した。直近で一番落ち込んだのは2010年の12兆3556億3300万円。それ以降、一進一退しながらも、徐々に回復傾向にある。とはいえ、日本チェーンストア協会で過去、一番販売額が大きかったのは1997年の16兆6958億2300万円。当時の水準にはまだ遠く及ばない。


12月のまとめ。
総合スーパーが既存店前年同月比プラスマイナス0%で横ばい。
百貨店はプラス0.1%、
スーパーマーケットもプラス0.6%で、それぞれ微増。
そして最後にコンビニがプラス1.4%で、一番堅調だった。

さらに2015年のまとめ。
百貨店が対前年比0.2%のマイナス。
総合スーパーはプラス0.7%。
さらにスーパーマーケットがプラス1.5%で伸び、
それよりさらに好調な伸びを示したのはコンビニでプラス4.7%。

コンビニの完全勝利である。店のサイズは小さくとも、日本全体に広く浸透した、最強の業態であることをこの結果が如実に物語っている。

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