【1月SC】売上高は前対比0.9%増、「買う場から楽しむ場」への変化

1月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が、一般社団法人日本ショッピングセンター協会から発表された。サンプル数は12月より5カ所増えて513SCとなった。回答率は51.3%。

1月の既存SCの売上げは5624億8258万円で、前年同月比プラス0.9%。テナントは4407億2888万円でプラス0.8%となり、キーテナントは1217億5371万円でプラス1.3%だった。好調業種はともに飲食・サービス。不調だったのは冬物衣料で、月前半の暖冬の影響で婦人服を中心に伸び悩んだ。しかし月後半には気温低下の影響で売上げが良くなってきたと回答した店舗もあった。また月後半は大雪となった地域で客数に影響がでた。

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(表は全て一般社団法人日本ショッピングセンター協会 SC販売統計調査報告2016年1月より)

地域別の「総合」欄を見ると、北海道3.5%、中部2.9%、近畿1.3%、東北1.0%、中国0.5%、
四国0.5%、関東0.4%とプラス並び、マイナスとなったのは北陸だけで、その北陸は▲2.7%だった。

【表-1】【表-2】ともにアパレルの比重が高い中心地域がマイナスとなり、周辺地域が好調だった。暖冬が大きく影響したことが数字に表れている。

また、政令指定都市は「総合」でプラス0.8%。
伸長率が高い順にみると、神戸市4.6%、北九州市3.6%、福岡市2.6%、川崎市2.1%、名古屋市1.5%、東京区部0.7%となり6都市がプラス。横浜市と京都市は0.0%と横ばいだった。
一方マイナスとなったのは大阪市▲0.6%、仙台市▲0.7%、千葉市▲3.7%、広島市▲4.2%の4都市だった。

その他の地域(政令都市を含まない地域)は、総合で1.0%。
プラスとなったのは、北海道11.0%、中部3.3%、中国2.1%、東北1.5%、近畿1.4%、
四国0.5%、関東0.2%の7地域。
一方マイナスだったのは、九州・沖縄▲0.3%、北陸▲2.7%の2地域だった。

政令指定都市は総合でプラス0.8%、その他の地域では1.0%となり、ともに好調だった。

下記【表-5】立地別SC・テナント・キーテナントの効率の表では、前年同月比はマイナスといっても、キーテナント大都市の坪効率が41万円と断然トップで、テナントも大都市が36万4000円と高い数値となっている。やはり大都市のSCが客数が多い分、効率もよい。

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2016年は年始休暇が昨年より1日短かった影響を受け、遠くの観光地に行くよりも近場のSCで飲食するファミリーが増加した。だから飲食やサービスが好調に推移した。全国のSCも「買う場だけでなく楽しむ場」として、サービス機能の充実に力を入れてきたことが結果を出す月となった。また特に北海道が好調だったのは、訪日観光客数が伸びたからだ。3月には北海道新幹線も開通するので「楽しむ場」としてのSCをアピールするチャンスである。

アメリカのショッピングセンターも、古典的な物販中心の施設よりも、ライフスタイルセンターが増え続けている。「買う場」から「楽しむ場」へ。世界の先進国のトレンドはそれを示している。

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