温暖、うるう年、バレンタインで百貨店2月は好調

2月の百貨店売上高概況が、3月18日に日本百貨店協会から発表された。
調査対象百貨店は82社237店と前月より1店舗減少。東武百貨店ソラマチ店が1月31日に閉店したため。

売上高は4446億7431万円、前年同月比プラス0.2%となり2カ月ぶりのプラスとなった。
2月にしては温暖な気候と、うるう年による1日多い営業日が客足を伸ばした、
それでも2月は気温の変動が激しく、降水量はかなり多めだった。しかしそのマイナス要因を払拭してプラスで落ち着いた。

主要10都市を、前年と比較した売上高伸長率順に並べると
東京が、1205億6779万円、プラス2.7%(11カ月連続)
京都は、177億4680万円、プラス2.4%(7カ月連続)
仙台は、60億3249万円、プラス1.4%(3カ月連続)
福岡は、151億0578万円、プラス1.3%(2カ月ぶり)
神戸は、115億9172万円 プラス0.3%(4カ月ぶり)
5都市が昨対プラスだった。
一方、マイナスだった地区は、大阪▲0.5%、広島▲0.8%、横浜▲1.4%
名古屋▲1.9%、札幌▲2.3%の5都市。
全体では0.8%のプラスとなった。

10都市以外の地域でみると、プラスとなったのは、
九州1.9%、四国0.3%、中部0.2%の3エリア。
一方マイナスは、中国▲1.0%、東北▲1.3%、関東▲1.4%、近畿▲3.2%、北海道▲8.7%。
結果、全体ではマイナス1.0%。
前月はすべてのエリアでマイナスと苦戦したが、2月は3都市が健闘したこともありマイナス幅は縮小した。

主要5品目の2月の動向を見てみよう。
主力の衣料品は、1313億2969万円、▲4.9%(3カ月連続)。
紳士服▲4.5%、婦人服▲5.8%、子供服▲1.1%、その他衣料▲2.2%と伸び悩んだ。

身のまわり品は、554億9412万円、プラス0.1%(3カ月連続)。

雑貨は、783億0775万円 、プラス7.9%(11カ月連続)と好調。
とくに、化粧品が17.7%増、11カ月連続プラスとなり、前月に続き全18地区で好調を維持した。
前月マイナスとなった美術・宝飾・貴金属が3.7%増となり、2カ月ぶりにプラスに転じた。

家庭用品は、209億0282万円、マイナス1.9%(2カ月連続)。
前月12.1%増と好調だった家電は、一転して▲28.1%。反対に前月▲7.2%だった家具は4.0%プラスとなり、家電と家具は1月と反対の結果となった。

食料品は、1318億5762万円、プラス1.8%(3カ月連続)。
菓子2.4%、惣菜1.8%、その他食料品は2.6%とプラス。
一方、生鮮食品▲0.9%だった。
菓子の伸びをみると、百貨店はバレンタイン需要をしっかり取り込むことに成功した。

その他は、食堂喫茶▲2.0%、サービス▲3.7%、その他4.6%、商品券▲4.5%。

訪日外国人客の消費は変わらず好調で、18.7%増の約183億円。
購買客数は40.7%増の約25万人で、37カ月連続のプラスとなった。

日本政府観光局(JNTO)の発表によると、2月の訪日外国人客数は、
前年同月比36.4%プラスの189万1000人。
2015年2月の138万7000人を50万人以上も上回り、2月としての最高を記録した。
また単月としても昨年7月の191万8000人に次いで過去2番目となった。

主な要因として
1.アジア地域の旧正月休暇
2.継続的な訪日旅行プロモーションの効果
3.航空路線の拡大
4.燃油サーチャージの値下がり
5.円高による割安感の定着
などが挙げられるが、特に旧正月休暇の影響は大きかった。
1月、2月(旧正月休暇シーズン)の合算値は、前年同期比の43.7%増の374万3000人となり、前年同期を110万人以上上回った。

大手百貨店グループの2月の業績もみてみよう。パーセンテージはすべて対前年同月比。

㈱三越伊勢丹ホールディングス
国内百貨店事業(三越伊勢丹計+国内グループ百貨店計) プラス0.9%
三越伊勢丹計はプラス1.6%

三越伊勢丹の内容を項目別でみると、
衣料品計は▲2.7%。ブラウス、ドレス、カットソーなど春物衣料に動きが見られたが、全体としてはマイナス。
家庭用品は▲7.2。その中で雑貨が15.4%、家具インテリアが15.7%のプラスと健闘している。
食料品と特選宝飾品はバレンタイン商戦の効果で堅調に推移。
インバウンド売上げは、首都圏、国内百貨店事業計ともに前年より約20%プラスと好調だった。
とくに2月は地方店舗が好調だった。

J.フロント リテイリング㈱  ▲3.5%
バレンタイン商戦は好調に推移。化粧品、美術品、ラグジュアリーブランドも売上げを伸ばしたが、コートを中心とした衣料品の動きが鈍く、全体をカバーできなかった。
また心斎橋店本館の建替えによる売場面積減と、名古屋店の改装工事による影響が大きかった。

㈱髙島屋(単体13店舗) プラス1.7%
雑貨14.7%プラス。特に好調だったのは、化粧品で24.3%増。
プラスは食料品2.5%、身のまわり品0.6%、食堂・喫茶1.2%だった。
一方マイナスだったのは、衣料品▲5.3%、家庭用品▲4.6%。
前月に引き続き衣料品が不調に終わった。

 

エイチ・ツー・オー リテイリング㈱  プラス0.8%
雑貨は20.6%と相変わらず好調を維持している。他では、身のまわり品7.8%増、食料品0.8%増と好調だった。
一方マイナスだったのは、衣料品▲11.3%、サービス▲11.1%、食堂・喫茶▲2.3%、家庭用品▲3.7だった。
客数の前年比(全店計)は▲4.7%。昨年より1日多かったにもかかわらず客足は減少した。しかし雑貨の20.6%に支えられて全体売上げはプラスとなった。

 
2月の百貨店、Jフロントの名古屋店改装の影響を除けば、好調だった。

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