【3月外食産業】売上高1.8%増、高級化の兆し?!

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が3月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を 業界全体及び業態別に集計した結果を報告している。

有効回収の店舗数及び事業社数は以下のとおり。
 全体 3万3265店(186社)
 ファストフード 1万7364店(53社)
 ファミリーレストラン 9416店(48社)
 パブレストラン/居酒屋 2281店(30社)
 デイナーレストラン 1030店(25社)
 喫茶 2085店(13社)
 その他 1089店(17社)

業態別概況
 20160426_daily_01
 (社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より)


<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス5.4%となり好調。
洋風――異物混入問題の回復と各社キャンペーンメニューが好調で、売上高はプラス10.8%。店舗数は▲3.2%と減少したが、客数1.4%、客単価も9.2%プラスとなった。
和風――売上高2.7%、店舗数、客数、客単価もすべてプラス。定食メニューが健闘した。
麺類――引き続き堅調に推移し、売上高2.8%増。店舗数、客数、客単価もすべてプラス。
持ち帰り米飯・回転寿司――店舗数▲3.1%、客数▲6.0%と減少したのが要因となり、売上高も▲2.6%となった。しかし客単価はプラス3.7%だった。
その他――売上高2.0%増。店舗数、客数、客単価すべてがプラスとなった。アイスクリームのイベントが好調だった。

<ファミリーレストラン業態>
全体売上高は▲1.2%となり35カ月ぶりに前年を下回った。店舗数0.5%、客単価0.5%とプラスだったものの、客数が伸びなかった。
洋風――ランチメニューは好調だったが、ディナー時間帯がふるわず、売上高▲2.9%。
和風――売上高▲1.1%。要因は、低温で花見需要が4月にずれ込んだ地域があったこと。
中華――店舗数が▲1.5%と減少したことが要因で、売上高、客数、客単価とすべてマイナス。
焼き肉――売上高6.0%プラスとなり唯一好調を維持した。店舗数2.0%、客数4.1%、客単価1.8%とすべてがプラス。学生など若年層向け歓送迎会キャンペーン、また春休みのファミリー需要などが奏功し、客数が大幅にプラスとなった。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――キャンペーンなどの集客努力で売上高は0.6%プラス。
居酒屋――店舗数の削減の影響ですべてがマイナス。引き続き不調が続いている。

<ディナーレストラン業態>
売上高4.5%増。店舗数5.5%、客数3.8%、客単価0.6%とすべてがプラスだった。

<喫茶業態>
中下旬の低温の影響で客数は▲0.5%だったが、店舗数0.5%、客単価0.5%プラスとなり、売上高は±0.0%と前年並みだった。

3月の外食産業業態別の結果を売上高伸長率順にまとめると、
ファストフード5.4%
ディナーレストラン4.5%
その他2.4%
喫茶±0.0%
ファミリーレストラン▲1.2%
パブ・居酒屋業態▲7.3%

3月は、気温の変動が激しく、前半の気温低下により花見シーズンがずれ込んだことと、日曜日が1日少なかったことが客足に影響を及ぼした。しかしファストフードが4カ月連続プラスとなって好調を維持し、全体でも前年同月比1.8%プラスとなった。

すでに報告済みの3月の小売業の結果は、スーパーマーケットのプラス1.1%を除いて、コンビニが▲0.06%、総合スーパーが▲0.3%、百貨店が▲2.9%と苦しい月だった。特にずっと好調を維持していたコンビニが12カ月ぶりにマイナスとなった。しかし食品小売業の水先案内人である外食産業はプラス。その中で、今まで好調だったファミリーレストランが35カ月ぶりにマイナスとなった。その代り、ディナーレストランは、昨年12月は7.5%増、1月6.9%増、2月6.4%増と、ずっと好調。外食消費が高級化しているということか。興味深い。

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