9月訪日外客数統計|過去最速で2000万人突破/9月19%の前年増

9月の訪日外客数が日本政府観光局(JNTO)から発表された。訪日外客数は228万人で18.9%増、2016年9月の191万8000人を約36万人上回った。また、1月から9月までの累計は2119万6000人で、過去最も早いペースで2000万人を突破した。

東アジアでは、旧盆にあたる中秋節が例年の9月から10月に動いたことで、旅行需要は減少したものの、航空路線の拡充や訪日クルーズの増加、またプロモーション効果によって、20市場すべての国が昨対比プラスとなり、9月として過去最高を記録した。

国別の状況を見てみよう。
[東アジア]
中国――67万8300人(29.9%増)。ビザ緩和による個人旅行者の増加、クルーズ船寄港数が増えたこと、継続的なプロモーション効果で30%の大きな伸びとなった。
韓国――55万6900人(29.3%増)。増加要因は、格安航空会社を中心とした航空路線の拡充。9月までの累計は521万8000人となり、前年比40.3%増。過去最高であった昨2016年の1年間の合計509万人を9カ月で早くも突破した。
台湾――34万7800人(0.1%増)。中秋節が昨年の9月から今年は10月にずれ込んだため旅行需要は伸び悩んだ。さらに座席供給量の減少、台風18号の影響による航空便やクルーズ船の欠航、キャンセルなどが相次いだ。
香港――16万5500人(26.4%増)。航空路線の拡充やプロモーション効果に加え、日本の安全性に対する信頼から旅行者が増加している。

東アジア市場は、10月に中秋節がずれ込んだ影響もあったが、路線拡充やプロモーションにより台湾以外の国は20%を超える大きな伸びとなった。

[東南アジア]
タイ4万9500人(10.8%増)、ベトナム2万5400人(31.9%増)、マレーシア2万6500人(2.3%増)、フィリピン2万2500人(8.1%増)、シンガポール2万2200人(1.3%増)、インドネシア2万2000人(23.4%増)、インド1万1500人(13.9%増)となり、7カ国すべて9月として過去最高を記録した。

プロモーションやキャンペーン、旅行博の出展などが訪日外国人の増加を後押ししている。しかし、シンガポールとマレーシアは、2016年9月にあった学校休暇が今年は8月に移動したことで、9月の伸び率は微増となった。一方、ベトナムは、9月初旬に連休があったことに加え、LCCの関西-ハノイ/ダナン線の新規就航が功を奏し、30%を超える伸びとなった。

[豪州・北米]
アメリカ10万0200人(3.5%増)、オーストラリア4万3800人(6.5%増)、カナダ2万2300人(0.9増)で、3カ国すべて9月として過去最高となった。

オーストラリアは、JALの成田-メルボルン線の新規就航、および地方への誘引広告により訪日機運が高まりをみせている。カナダは建国150周年を機に国内旅行者が増えたことで伸び率は微増となった。アメリカは、2016年に日米路線を増加した反動から、2017年は大きな伸びとならなかった。

[欧州]
イギリスは2万7100人(9.7%増)、ドイツ1万8300人(8.6%増)、フランスが1万8300人(5.8%増)、イタリア1万0200人(4.4%増)、スペインは9400人(2.3%増)、ロシア6500人(44.9%増)となり、6カ国すべて9月として過去最高を記録した。

フランスでは欧州最大の日本文化見本市「Japan Expo」への出展、イタリアではウェブサイトやニュースレターを通じた情報発信、スペインでは人気旅行番組での日本特集、SNSでの拡散などが訪日旅行者増加につながった。とくにロシアは44.9%と増加率が高い。これはビザの緩和措置や航空路線の増便、チャーター便の就航が要因だ。

検索ワード : 訪日外客数  9月  日本政府観光局  訪日プロモーション

 

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