10月主要4小売業態統計まとめ|台風と降水量で客数減少、4業態揃って▲2%

主要小売業態別の2017年10月売上高が出揃った。改めて業態別既存店の業績をまとめておこう。

百貨店 ▲1.8%
コンビニエンスストア ▲1.8%
スーパーマーケット ▲1.9%
総合スーパー ▲1.9%

百貨店は売上高▲1.8%と、3カ月ぶりに前年同月を下回った。2週連続の台風上陸と土曜日が一日少なかったことが、客数を減少させた。とくに94.0%を占める国内需要は▲4.7%。しかし、シェア6.0%の外国人売上高は約280億円で87.3%増。過去最高を大きく更新した。昨2016年は9月だった中秋節が今年は10月にずれて、国慶節休暇と重なった。それによって連休が増えて、インバウンド購買が増加したことが要因の一つだ。

コンビニエンスストアは▲1.8%。台風、秋雨前線、低気圧の影響で全国的に降水量が多く、既存店、全店ともに客数はマイナスとなった。一方で、店内調理のカウンター商材は、調理麺などが好調だった。大手3社も既存店客数は減少。セブン-イレブン▲4.5%、ファミマは▲4.8%(サークルKサンクス▲7.8%)、ローソン▲5.0%。天候要因が影響しているとはいえ、5%の客数減はかなり深刻だ。

スーパーマーケットの売上高は、全店昨対比0.7%減、既存店は1.9%減とともにマイナス。全店が前年を下回ったのは、前年がうるう年だった2017年の2月。その前は、消費税が引き上げられる前の駆け込み需要の反動があった2015年3月。青果は、既存店売上高▲10.2%と二桁減で、2011年4月の調査開始以来最低の数字だった。10月は行楽、運動会、ハロウインなどの行事があったが、天候に左右されるものが多く、台風や雨に悩まされた。さらに土曜日が1日少なかったことも響いた。不調要因のもう一つは、衆議院選挙。選挙の月は買い控えの傾向が強いと言われる。その影響もあったのではないか。ただ気温の低下により、鍋物商材は売上げを伸ばした。

総合スーパーは▲1.9%。食料品は、農産品、水産品、惣菜はマイナスだったが、畜産品だけはプラス5.5%と大幅な伸び。牛肉・豚肉・鶏肉ともに好調で、鶏卵、ハム・ソーセージの動きも良かった。衣料品は9月に1.4%増と回復したが、10月は紳士服、婦人服、その他衣料すべてマイナスだった。住関品は▲5.0%。医薬・化粧品、家具・インテリアはわずかながらプラスを維持したが、家電製品は▲10.6%と二桁減。日用雑貨品、その他商品もマイナス幅は大きかった。

10月は2度の台風上陸、土曜日1日減の影響を受け、どの業態も客数減少で売上げが伸び悩んだ。百貨店とコンビニが▲1.8%で、スーパーマーケットと総合スーパーは▲1.9%。4業態とも約2%の減少となって、小売業界にとっては厳しい月となった。

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