1月百貨店統計|売上高1.2%減で2カ月連続/後半の寒波で客数に影響

2018年1月の百貨店売上高概況が、日本百貨店協会から発表された。調査対象店舗80社226店は前月と変わらず。したがって前月比は既存店データとなる。

既存店売上高は5157億7142万円、前年同月比マイナス1.2%と、2カ月連続で前年を下回った。

1月は、前半は福袋や初売りなど冬のクリアランスが好調だった。しかし後半は大雪や寒波で客数に影響が出た。顧客別に見ると、94.5%を占める国内需要が2.6%減と苦戦したが、シェア5.5%の外国人売上高は31.6%増の約284億円で、過去最高となった。

地区別に見ると、主要10都市は対前年同月比0.4%と6カ月連続でプラス。
大阪7.4%、福岡2.2%、仙台1.4%、名古屋0.1%、横浜0.0%。前年割れは、神戸▲27.5%、広島▲0.8%、京都▲0.3%、東京▲0.2%、札幌▲0.3%。インバウンド効果の高い大阪と福岡が大きく数字を伸ばした。

10都市以外の地域は▲4.6%で9カ月連続減少。
近畿▲19.0%、北海道▲7.6%、中部▲5.6%、九州▲3.7%、東北▲3.1%、四国▲1.7%、中国▲0.2%、関東▲1.0%とすべての地区がマイナスだった。

インバウンド消費が百貨店業態の推進力になっていることがわかる。

主要5品目の1月の動向では「雑貨」が6.9%増で、14カ月プラスが続いている。とくに化粧品は15.8%増で34カ月連続。また美術・宝飾・貴金属などの高額商品も4.3%増と好調で10カ月連続プラスだ。「身のまわり品」はラグジュアリーブランドが好調で0.8%のプラスと2カ月ぶりに前年をクリアした。

一方で、「家庭用品」は家具・家電ともに振るわず▲7.8%と25カ月連続で減少。「衣料品」は、紳士・婦人・子供服すべてマイナス。全体でも▲4.0%で2カ月連続で前年を下回った。寒さの影響で防寒アイテムは好調。またセール品よりプロパー品が健闘するなどの傾向もみられたが、全体的には苦戦した。「食料品」は▲1.9%。生鮮食品・菓子・惣菜すべて前年割れで、生鮮食品に至っては46カ月マイナスが続いている。スーパーマーケットや総合スーパーとは異なるトレンドである。

大手百貨店グループの1月の業績は下記の通り(%はすべて対前年同月比)。

(株)三越伊勢丹ホールディングスの国内百貨店事業は▲2.2%。
(株)J.フロント リテイリングの百貨店事業は+0.8%。
(株)髙島屋は+0.5%。
(株)エイチ・ツー・オー リテイリングの百貨店は+2.2%

1月の大手百貨店グループは、三越伊勢丹だけがマイナスで、J.フロントと高島屋の2社はなんとかクリア。エ・ツー・オーは店舗によってバラつきはあったが、阪急本店が7.3%増、博多阪急が6.6%増と全体を押し上げ、全店でも2.2%増と好調に推移した。

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