福岡シーホークを舞台に加熱するサツドラとラオックスのインバウンド需要争奪競争

(株)サッポロドラッグストアー(サツドラ)は、11月18日に福岡のホテル「ヒルトン福岡シーホーク」の4階に「サツドラ福岡シーホーク店」を開店させた。
サツドラ

サツドラは今年4月にも、インバウンドをターゲットにした免税対応店「沖縄あしなびー店」(沖縄アウトレットモールなしなびー内)をオープンさせている。

サツドラは2016年2月時点で、北海道にドラッグストアを163店舗、沖縄県に1店舗、調剤薬局を10店舗展開する北海道の企業だ。道内ではツルハに次ぐ第二位の規模を誇り、マーケットチャレンジャーとして大胆な政策を打ち続ける。

北海道で重ねたインバウンド向け店舗のノウハウを生かし、道外でのインバウンド需要を積極的に取り込む狙いがある。

福岡シーホーク店出店も基本的に同様の戦略である。人気のNB商品に加え、北海道コスメなど北海道の原材料を使用したオリジナル商品を積極的に展開し、商品を通じて「北海道」、「サツドラ」ブランドを近隣アジア諸国へ広めて行く考えだ。

(株)サッポロドラッグストアーの2016年2月期連結の売上高は627億6700万円。2016年8月に、新たに設立された純粋持株会社サツドラホールディングスの傘下に入った。

福岡(博多)は近年、中国からの大型クルーズ船ツアーの寄港地になっている。数千人の顧客を乗せてくるクルーズ船は、インバウンド消費の巨大な装置といえる。

国土交通省発表の資料によると、博多へのクルーズ船寄港回数は2014年に比べて2015年は約2.5倍の伸びとなり、ほぼ毎日クルーズが入港した。ちなみに、大型クルーズ船の寄港回数では、博多が245回で1位、次いで長崎、那覇、鹿児島の順となっている。

ヒルトン福岡シーホークは、福岡県福岡市中央区地行浜に位置し、都会のリゾートとして、「都市景観100選」に選ばれた地区でもある。福岡空港から車で約20分、JR博多駅から車で約15分と、アクセスにも優れている。またヤフオクドームにも隣接している。

同ホテルには、12月16日にラオックスも免税店「ラオックスヒルトン福岡店」をオープンさせたばかりだ。
ラオックス

かつての家電量販店のラオックスはいま、大型免税店チェーンへと変身し、2009年に中国最大の家電量販店チェーン蘇寧雲商の傘下にある。すでに2012年にキャナルシティ博多に「ラオックス福岡キャナルシティ店」をオープンさせ、外国語対応販売員を配置するなど、インバウンドの取り込みを進めている。店舗数は2016年12月現在で43店舗。

福岡を舞台にしたインバウンド需要の掘り起こしは、大型クルーズ船ツアーの増加などを背景に、今後も様々なプレーヤーが参入し、しのぎを削ることになりそうだ。

検索ワード:サツドラ 免税店 ラオックス 福岡シーホーク

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