ウォルマート 2年以内にアマゾンに追いつく作戦を実行中

ウォルマートがEコマースの取り組みを加速させている。先日、テキサス州フォートワースに2万2500坪のオンライン用フルフィルメントセンターをオープンしたばかりだが、さらに今年中にペンシルバニア州ベツレヘムに2万8000坪の同社最大級施設も稼働させる予定だ。

 

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フルフィルメントセンターとは、最先端のハードとソフトで自動化され、オンラインでの注文に対する入庫から配送までを担う物流拠点のことだ。

 

1月23日付の米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、ウォルマート・グローバルEコマース部門のニール・アッシュCEOは、最大のライバルであるアマゾンと同等の品ぞろえと配送スピードを2年以内に身につけることができるとの観測を語った。先日25日までスイスで開かれていたダボス会議での個別インタビューで答えた。

 

大規模なネットワークや高度な物流能力を持つアマゾンの成長スピードは速い。ここ2~3年で売上高を倍増させ、2012年度は610億ドル(約6兆1000億円、1ドル=100円換算)。株式時価総額もウォルマートの2410億ドル(約24兆1000億円)に対して1840億ドル(約18兆4000億円)と2分の1以上の規模に膨らんでいる(2014年1月31日現在)。

 

アマゾンの猛追をかわすため、ウォルマートは時を経ずに米国内のさまざまな場所でフルフィルメントセンターを開設するという。

 

ウォルマートがこの競争に勝つには、すでにある豊富な店舗と物流施設を活用する以外にない。アッシュCEOは「ウォルマートはアマゾンができないやり方で、物理的な世界とオンライン取引との融合を進めることができる」とその戦略を語る。

 

この言葉こそ最近流行つつある「オムニチャネル」そのもの。アッシュCEOは「目標はすべてを一緒に機能させること」と説明する。

 

つい最近の11月、感謝祭翌日の金曜日いわゆるブラック・フライデーに、ウォルマートはテレビを100万台以上売上げた。低価格のLED液晶テレビをオンラインで注文して、店舗で受け取るプロモーションが奏功したためだ。

 

「ウォルマートは『インターネット』が誕生する前から『インターネット』だった」とアッシュCEOが言うように、オンラインであってもオフラインであっても、相互につながることが商売の本質だとウォルマートは心得ている。

 

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