ダラー・ゼネラルの増収増益と「ライフサイクル・リモデリング」

アメリカのナンバーワン・ダラーストア「ダラー・ゼネラル」。2013年度第4四半期と通期の決算を発表。

 

増収増益。

 

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売上高は175億0400万ドル(約1兆7504億円、1ドル=100円換算)で前年同期比9.2%増。営業利益は17億3600万ドル(約1736億円)・同15.4%増、当期純利益は10億2500万ドル(約1025億円)・同7.6%増。

 

既存店売上高は客数・客単価がともに伸び、前年より3.3%増えた。売上げが増加した主因はタバコと生鮮食品が年間を通して売れたこと。13日の米スーパーマーケット・ニュースによれば、ダラー・ゼネラルは1600店以上に冷蔵庫を導入。冷蔵庫の扉は1店舗当たり平均12枚だという。

 

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出店は650店。年度末店舗数は40州で1万1132店。今年度計画は700店。1日あたり2店弱の出店スピード。

 

 

2014年度の新規出店のうち、50~60店は最近進出したばかりのカリフォルニア州に出す予定だ。投資額は4億5000万ドル(約450億円)~5億ドル(500億円)。

 

しかし、そのダラー・ゼネラル。標準店の基準に満たず拡張もできない530㎡(160坪)~600㎡(180坪)の小規模店舗をうまく活用している。本来ならスクラップ&ビルドの対象となる物件だが、こうした店舗をリモデルする戦略に取り組んでいるのだ。

リック・ドライリングCEOは「ライフサイクル・リモデリング」と呼んでいる。これまた米スーパーマーケット・ニュースが伝えている。店舗を生まれ変わらせて、寿命を延ばすという意味だろう。

 

移転対象となる店舗規模でも、競合との関係上、守らなければいけない立地に存在する場合がある。だから、ダラー・ゼネラルは店舗を温存しつつ活性化させる手法を選んだ。

 

具体的には、拡大すべきカテゴリーと縮小すべきそれを選別し、「SKUの生産性」向上に焦点を当てている。縮小対象となっているカテゴリーのひとつはHBC(ヘルス・アンド・ビューティーケア)。昨年に300SKUを削減し、今年もさらに300SKUを減らす計画だ。

 

ライフサイクル・リモデリングは投資効率に優れ、コストは30%少なく、リターンは25~40%も高い。

 

さらに労働力の効率化にもよい影響を与えている。付加価値の低いカテゴリーから撤退することで、地区マネジャーがマーチャンダイジング(MD)や店舗標準化の仕事に集中できるようになるからだ。

 

改革に取り組むダラー・ゼネラル。2014年度は全売上高で8~9%増、既存店については3~4%増を見込んでいる。

 

 

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