アメリカでは21州で1月1日から最低賃金アップ

アメリカ合衆国の2015年のニュー・イヤーズ・デー。
21州で1月1日から最低賃金が引上げられた。

現在、アメリカ連邦政府が定める最低賃金は1時間当たり7.25ドル。
1ドル100円換算で725円。120円では、
870円。
日本と比べて高いか、低いか。

今回の賃上げによって、29州とコロンビア特別区がその最低賃金を上回ることになった。

 

面白いのは賃上げが住民投票によって実施されたこと。
アラスカ、アーカンソー、ネブラスカ、サウス・ダコタ、イリノイ州など6州が、住民投票決定。
また州法によって最低賃金を値上げするのはコネチカット、デラウェア、ハワイ、メリーランド、マサチューセッツ、ミシガン、ミネソタ、ロード・アイランド、バーモント、ウェスト・バージニア、コロンビア特別区。いずれも2014年に法制化されている。

 

アリゾナ、コロラド、フロリダ、ミズーリ、モンタナ、ニュージャージー、オハイオ、オレゴン、ワシントンの9つの州では、複数年にわたって段階的に最低賃金の値上げが定められている。こちらも1月1日から実施された。

 

一方、州だけではなく市で値上げするところもある。シアトル市では9.47ドルに賃上げ。サンディエゴ市でも9.75ドルに引上げられる。

 

最低賃金引上げの動きは、アメリカの格差社会を背景にした「不平等をターゲットにする改革」とカリフォルニア大学の賃金の専門家クリス・ティリー氏が述べている。
むしろ時給がアップすれば、格差是正よりも消費が活性化する。

世界中で話題の『21世紀の資本』の著者トマ・ピケティ教授は、「不平等」の構造を明らかにするが、「インフレ率を上昇させる唯一のやり方は、給料、特に公務員の給料を5%引き上げることでしょう」と語る。最低賃金の引き上げは同じ効果がある。

 

格差社会としては日本以上のアメリカ。「不平等の是正」に対して、最低賃金の引き上げこそ、確実に効果の上がる政策である。

不平等社会の解消が地方自治体から始まる。
消費大国アメリカ社会の健全性がニュー・イヤーズ・デーに印象づけられた。

 

 

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