HEBがオンライン販売開始、「テキサス・ローカル」でニッチ市場を狙う

先週の11月12日(木)、アメリカ・テキサス州のローカル・スーパーマーケット・チェーンHEBがとうとうオンライン販売に乗り出した。店舗数は現在、370店。同州のサンアントニオ地区でマーケットシェア52.7%、オースティン地区で50.8%と、テキサスに根付いた商売で人気のHEB。天下のウォルマートもこれらの地区では2番手に甘んじている。

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そんなHEBがはじめたオンライン・ストア。販売アイテム数は約5万点と、そう多くはない。何十万点、何百万点と品揃えをするウォルマートやアマゾンと比較をすれば、わずか5万点では一見、勝負にならない。

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(画像: HEBホームページのスクリーンショット)

しかし、HEBには作戦がある。

そう、「ニッチ市場」を狙うというもの。

「テキサスならではの」「テキサスでしか手に入らない」、そういった商品で全米中に散らばっているテキサス出身者にアピールする。

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(画像: HEBホームページのスクリーンショット)

HEBのアピールポイントは以下の10項目である。

① 米国本土内はすべて配達可能(カリフォルニア州を除く)
② 世界中のアメリカ空軍や海軍郵便局を利用し、基地にも配達可能
③ オンライン・ストアでもHEBの低価格で買物可能
④ お気に入りのテキサスならではの商品が注文できる
⑤ 面倒な返品手続きは不要、店舗へ直接返品するか、返品ラベルを添えて返送するだけ
⑥ 24時間営業、いつでも買物ができる
⑦ 他店では見つけにくい特殊な食品を見つけられる
⑧ 買う前に商品レビューをチェックできる
⑨ カテゴリー別に検索・閲覧できるので、欲しい商品を見つけやすい
➉ オンラインでHEBギフトカードを購入可能(Eギフトカードならプレゼントするギリギリでも大丈夫)

配送料金は5ドル~10ドルと良心的で、原則として昼までに受注した商品は、翌日の夕方5時までの配送を約束している。配送可能エリアはアラスカ州、ハワイ州以外の本土の州。現在、カリフォルニア州への販売は除外されているが、その理由はHEBの商品ラベルがカリフォルニア州の表示ラベル基準をクリアしていないため。HEBはラベル表示の追加が完了次第、同州への販売開始するとしている。

テキサスは軍事施設が多く、世界中の基地にテキサス州出身の軍人が多く従事している。HEBには以前から州外や国外に配属された軍人の家族から、商品を配送してほしいという要望が多くあった。このオンライン・ストアの登場により、それらの要望に応えることが可能となった。

ローカルな商品を、ローカルな企業によって、ローカルを求める人々へ。テキサス民の郷土愛は深い。この「ローカル」志向は日本でも通用する。郷土愛の強い地域は特に、オンライン販売も有効である。

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