ウォルマート全世界269店をスクラップ、国内は小型店から撤退か

ウォルマートCEOダグ・マクミランが15日に発表した全世界269カ所の店舗閉鎖。現在展開する1万1600店を戦略面から見直し、成長性が見込めない店をスクラップすると決断した。
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閉鎖店舗は、国内154店、国際部門で115店。
国内ではウォルマート・エクスプレスを含む小型店が最多で102店舗を閉鎖。ほかにウォルマート・ネイバーフッドマーケット(スーパーマーケット)23店、ウォルマート・スーパーセンター12店、ディスカウントストア6店、サムズ・クラブ4店、プエルトリコ領の7店。
国外ではブラジル60店、ラテンアメリカの55店。

 

ダグ・マクミランCEOは「閉鎖する米国の店の大多数はウォルマートエクスプレス店です。私たちはお客さまの日常のニーズをより深く理解することを含め、このパイロット(フォーマット)から多くのことを、学んできましたが、この事業を続行しないことを決定しました。私たちはスーパーセンター及びネイバーフッド・マーケットを事業の中心に据え、また電子商取引やピック アップなどのサービス投資を行うことで、顧客により良いサービスが提供でると考えています」と述べている。

世界的なエクスプレスストア・ブームに乗って、ウォルマートも実験を始めたのが、2011年6月。本社のあるアーカンソー州ジェントリー(Gentry)に1号店をオープンさせた。その後、国内で出店を進めたが、1000坪級のネイバーフッドマーケットの方が生産性が高く、これで十分だという判断が下されたのだろう。

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今回の閉鎖店舗数は全体の2.3%にあたるが、売上高への影響は1%以下。
また国内閉鎖店の95%以上は、平均10マイル以内に自店があり、アソシエイツの多くは、これらの店舗に再配置されるが、退職希望者には、60日分の給与が支払われる。

再びダグ・マクミランCEO。
「われわれは、スーパーセンターのフォーマットを強化し、ネイバーフッド・マーケットを最適化することにより、米国市場で勝ち続けます。シームレスな顧客価値を実現するためには既存資産とEコマースの融合こそが必須です。フルフィルメントネットワークを構築し、サプライチェーン機能を強化していく必要があります」
この発言は、Amazon対策に資産を集中していくことを意味している。

ウォルマートのマルチフォーマットは、第1にスーパーセンター、第2にネイバーフッドマーケット、第3にサムズクラブ。それ以外にネット販売の商品引き渡し所の機能を持つ「To Go」。そしてウォルマート・ドットコム。

もちろん、リアル店舗のスクラップがあればビルドがある。
2月1日から始まる2017年度には、国内で50〜60店のスーパーセンター、85〜95店のネイバーフッド・マーケット、7〜10店のサムズ・クラブを予定する。国際部門では200〜240店を出店する計画だ。

 

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