クローガーnews|第3Qは増収増益/「Restock Kroger」計画は幸先良い始動

全米最大のスーパーマーケット・チェーン「クローガー」が第3四半期決算を発表した。もちろん米国内小売業としてはウォルマートに次ぐ第2位企業だ。

11月4日に終了した第3クォーターの売上高は、277億4900万ドル(1ドル100円換算で2兆7749億円)で、これは前年同期比4.5%の増加。既存店売上高はガソリン販売を除けば、1.1%のプラスだった。

営業利益は7億4000万ドルで、.8%の増加。純利益は3億9700万ドルで1.5%の増加。1株あたりの利益は7.3%増加して44セントだった。

ただし売上対比の営業利益率は2.7%で、日本のスーパーマーケット企業並みだ。

第3四半期までの売上高累計は916億3100万ドル(9兆1631億円)で、4.5%の伸び率。営業利益は20憶4100万ドルで、こちらは20.8%の減益となった。純利益も10億5300万ドルで28.3%のマイナス。

クローガーはこの第3四半期に、三つの政策を発表している。

一つが、「リストック・クローガー(Restock Kroger)」計画だ。クローガーの店内における顧客の体験価値を改善して高める計画。「Restock」は「補充する」だとか「新たに加える」といった意味で、従来のクローガーの経験価値にさらに付加価値をプラスする作戦だ。

この計画ではまず第1に、ダンハンビーUSAというデータマイニング会社を「84.51°」の名称で子会社化して、6000万世帯を超える顧客データを駆使しているが、この機能を強化して、顧客の嗜好に合う商品をお薦めする。これを特別に「クローガー・プリシジョン・マーケティング」と呼んでいる。

さらに第2に「We Are Local」とスローガンを掲げる地産地消商品を、デジタルを含めてプロモーション強化し、その一環としてナチュラルフーズの「革新サミット」を開催する。

第3に、グローサラント(Grocerant)の取り組みとして、新しいレストラン・コンセプト「キッチン1883」を開店した。

第4に、すでに報じたが、「Our Brands」のアパレル・ブランド2018年に発売する。

そして第5に、生花のブランド「ブルーム・ハウス」をホリデーシーズン前に開発導入した。

eコマースが躍進しているからこそ、クローガーは店内におけるリアルな買物体験をさらに充実させるべくRestock Kroger計画を推進している。

この第3四半期の二つ目の政策は、実験中の「スキャン・バッグ・ゴー(Scan Bag Go)」システムの拡充である。現在、数十店で実験中だが、2019年1月末までに400店舗に広げる。具体的には、店頭に設置されたスキャニング端末、もしくは顧客自身のスマートフォン・アプリで、自らスキャニングしながら買物し、専用レジあるいはセルフレジで、セルフスキャニング決済する。ウォルマートのサムズクラブは全店で展開しているし、ウォルマート・スーパーセンターでも積極的に実験を始めている「スキャン&ゴー」と同じシステムだ。

そして三つ目の政策は、全米18州で784店を展開しているコンビニエンスストア事業の売却である。

さらに、南カリフォルニアではインスタカートと提携して配達を開始する。

ロドニー・マクマレンCEOのコメント。
「リストック・クローガー計画は幸先の良いスタートを切ることができました。顧客の経験価値の改善とロイヤルカスタマーへの還元は極めて好評です」

そして4つの政策の継続を上げる。
⑴デジタルとeコマースの拡大
⑵プライベートブランドの充実
⑶低価格の提供
⑷社員への投資

「ホリデー・シーズンに、傘下のフレッド・マイヤーでは記録的なブラック・フライデーの売上高を記録しました。この第3四半期の結果は、将来への投資が奏功したものとして、今後も市場シェアと既存店売上高を増加させる自信につながりました」

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