9月百貨店売上速報|増税前の駆け込み需要の反動大幅減/三越伊勢丹65%
主要百貨店4社の9月の売上高速報が発表された。既存店売上高は三越伊勢丹百貨店は前年比64.5%。大丸松坂屋百貨店は59.9%、阪急阪神百貨店は63.7%、高島屋は64.3%だった。感染再拡大で入店客数が伸び悩んだことに加え、前年の消費増税前に駆け込み需要があったため、大幅な反動減が見られた。
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、杉江俊彦社長)の既存店は前年同月比64.5%。伊勢丹新宿本店の店頭売上げは前年比65.7%、日本橋本店店頭売上げは63.9%だった。
客数減に加え、一部地域店における台風接近による営業日数の減少などが重なり、8月よりもマイナス幅が拡大した。家の中で豊かに過ごしたい消費傾向から、食料品や一部の店舗ではリビング家具やキッチン雑貨が前月に引き続き健闘した。
伊勢丹新宿本店と三越日本橋本店では、前月より入店客数がやや回復した。月後半から気温が低下したことで、秋物衣料や服飾雑貨にも動きが見られた。オンライン(EC)は、ワインなどの食品の企画が好調だったこと、そして外国展や物産展特集への反響が大きく、前年比約1.5倍と好調だった。
J.フロントリテイリング(株)(東京都中央区、山本良一社長)の(株)大丸松坂屋百貨店は、前年同月比59.9%。博多大丸、高知大丸を含む百貨店事業全体では59.4%。感染再拡大で外出自粛傾向が続き、客数が減少した。
エイチ・ツー・オーリテイング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)の(株)阪急阪神百貨店(大阪市北区、山口俊比古社長)の既存店売上高は、前年比63.7%。阪急本店が前年比61.8%、阪神梅田本店が44.2%だった。
新規感染者数が減少傾向となった月後半から、年配のお客やファミリー層の来店が復調し、来店客数が増え、売上高も回復傾向にある。9月19日(土)からの4連休では、お盆の代わりに帰省した家族連れや旅行客などで、都心店では久々に活気が見られた。
阪神梅田本店では大型催事などを開催しなかったため、特に苦戦した。一方、郊外店の食品売場は前年比99%と依然高水準を維持している。ECは前年比181%と引き続き好調だ。なかでも阪急のサイトで21日からスタートしたおせち料理の予約販売は、前年比約5割増と好調な滑り出しだ。
(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長)の9月度店頭売上高は、高島屋単体の11店舗で既存店前年比64.3%、国内百貨店子会社3社を加えると前年比63.9%となり、全体では前年比64.8%。9月は昨年の消費増税前の駆け込み需要の反動に加え、外出を控える傾向が続いたことや免税売上げの大幅減から、前年を大きく下回った。