ワールドnews|TSIと経営統合、アパレル業界3位に/来年3月に新会社
(株)ワールド(神戸市、鈴木信輝社長)は10月14日(水)、(株)TSIホールディングス(東京都港区、下地毅社長、TSIHD)との経営統合を発表した。両社は同日付で経営統合契約を締結し、株式移転計画を共同作成した。

2027年3月1日に共同持株会社「インフィニティ・ユナイテッド」を設立する。新会社の会長に下地氏、社長に鈴木氏が就く予定。

2026年2月期の両社の売上高と営業利益はワールドが2840億円、160億円、TSIHDが1671億円、43億円。単純合算では約4500億円となり、現在3位のアンドエスティ(旧アダストリア)の3044億円を抜く。ファーストリテイリング、しまむらに次ぐ、アパレル産業で3位になる。
統合の背景には、国内ファッション市場の構造的課題がある。ワールドは「国内市場はオーバーストア・ブランド過多が10年以上続き、店舗・EC・物流・システムなどの重複が産業コストを押し上げている」と説明する。
また、輸入依存型モデルは地政学リスクや円安による調達コスト増の影響を受けやすく、人口減少やインフレも重荷となる。こうした環境下で、他産業で進んでいる合従連衡がアパレル十分に進んでおらず、スケールメリットを活かす余地が残されていると判断した。
ワールドは中期経営計画「VISION-W」で掲げていて、産業界で台頭するグローバルSPA、メガリテーラー・メガサプライヤーとは異なる“第3極”構想の実現を目指している。同社では第3極を、数多くのファッションブランド、ファッションサービスが集うプラットフォーム、圧倒的多様性集団と表している。
一方、TSIHDは2011年に、(株)東京スタイルと(株)サンエー・インターナショナルの経営統合により誕生した会社。国内市場の過当競争や海外ファストファッションの台頭という危機感から、単独では実現できなかったコストの削減、物流・ITシステムの共通化、EC投資の効率化を進めてきた。現在、「TSI Innovation Program 2027」により収益構造改革と資本効率改善を推進している。
両社のトップは「事業ポートフォリオの重複が少なく、補完関係が強い」として、統合によるシナジー創出に手応えをもっている。統合後は、情報システム・物流などの事業インフラを共通化、顧客情報の統合によるデジタルマーケティング強化、OMOを前提とした販路戦略の進化、商品コンテンツの相互供給など、成長機会の拡大も見込む。TSIのストリート・アメカジ領域のブランド創造力と、ワールドの外販プラットフォームやサーキュラー事業の基盤を組み合わせることで、新たな価値創造を図る。

株式移転比率はワールド1株に対し共同持株会社1株、TSIHD1株に対し0.8株。両社は2027年2月25日に上場廃止し、共同持株会社は同年3月1日に東証プライムへ新規上場する予定。
