イズミニュース｜2月期決算は増収増益、経常利益率5％の優良成績

(株)イズミは、2017年2月期の決算を発表した。

連結期間（2016年3月1日～2017年2月28日）の経営成績は、営業収益7021億2100万円（前年同期比5.0％増）、営業利益356億7000万円（同11.8％増）、経常利益356億8800万円（同14.7％増）となり、増収増益を達成したが、当期純利益だけは170億1500万円で、9.3％減少した。

しかし営業利益率、経常利益率はともに5.0％と優良企業である。

2016年4月に発生した熊本地震により、地域住民の生活や企業活動は大きな影響を受けた。イズミグループでは被災地支援のため避難所への支援物資の提供、被災地を除くグループ171店舗で災害義援金募金活動を展開した。

被災により休業状態だった「ゆめタウンサンピアン」（当期末現在で全館営業再開）、「ゆめタウンはません」（当期末現在で1階および2階フロアの営業を再開済み、3階と映画館は2017年春に営業再開予定）の2店舗で営業再開した。子会社の(株)ゆめマートの「ゆめマート楠（ゆめマート瀧田へ改称予定）」は、2017年夏の営業再開を予定している。

店舗面では、9月に「ゆめタウン徳山」（山口県周南市）を開業し、ドミナント戦略を進展させた。
既存店活性化の取り組みとして、3月に「ゆめタウン筑紫野」(福岡県筑紫野市)などをリニューアルオープン。11月には「ゆめタウン佐賀」（佐賀県佐賀市）を増床リニューアルした。

三世代の幅広いお客が快適に過ごせる空間づくりを推進。食品売場とレストラン街、フードコートを充実させ、地域一番の集客力を誇る店舗づくりを前進させた。

営業収益のうち、売上高は前期比314億9900万円(4.9％)増加し、6702億5300万円となった。
また、営業収入は前期比18億3700万円(6.1％)増加し、318億6700万円となった。
売上総利益は、1474億1900万円(前期比100億1100万円の増加)。
売上高対比では22.0％となり前期に比べて0.5ポイント上昇した。
なお、ユアーズなどが前期に連結子会社となったことで、売上高、営業収入及び売上総利益の増加並びに売上総利益率の改善に寄与している。

次にセグメント別業績を見ていく。

第1に、コア・ビジネスの小売事業では、創業55周年の感謝を品質と価格で還元した「55周年記念商品」とともに、被災地域で生産された食材や商品を積極的に全店展開し、販売増加に結び付けた。

食品スーパーマーケットの子会社では、熊本地震の影響によりゆめマートが一部の店舗において一時的に休業を余儀なくされたものの、営業再開した後には被災地の復興に必要な品揃えに努め、早期に既存店売上高を回復させた。

また、カード戦略の共有化、共同仕入れの拡大、原価交渉力の強化、並びに物流・システムの連携等で協力関係を深めた。スケールメリットとドミナント展開を図り、業務効率の改善に取り組んだ。

スーパー大栄が複数ブランドで販売していたストアブランドを「ゆめマート」に一本化し、全店の名称変更を完了させ、全体的には堅調に推移した。
これらの結果、既存店売上高は前年同期比では1.5％増となった。

コスト面では、商品仕入における原価低減及びロスの抑制を推し進めた。また、販売費及び一般管理費がユアーズなど連結子会社の増加などにより増加した。
これらの結果、小売事業全体の営業収益は6826億9100万円（前期比5.3％増）、営業利益は312億7200万円（前期比13.1％増）となった。

第2に小売周辺事業では、一部の業務において、他セグメントとの取引条件を見直した。
電子マネー「ゆめか」の利用拡大やショッピング時のクレジット利用を推進した。

また、前期に連結子会社化したユアーズ等へのカードシステム導入を推し進めた。ゆめタウンに入居するテナントをはじめとする外部加盟店での取扱いを拡大することで、グループのカード戦略の一層の深化を図った(「ゆめか」の累計発行枚数は、前期末551万枚、当期末617万枚)。
また、お客の利便性を高めることで利用頻度の向上を図り、小売事業への集客及び店舗間の相互送客に寄与した。
これらの結果、営業収益は965億2400万円(前期比33.7％増)、営業利益は39億200万円(前期比2.7％増)となった。

第3に、その他卸売事業では、営業政策を強化する一方、円高局面では仕入価格の低下等で利益水準が改善した。また、不動産賃貸事業では安定的な賃料収入を計上。
これらの結果、営業収益は49億3600万円（前期比1.0％増）、営業利益は9億7600万円（前期比32.0％増）となった。

2018年2月期（2017年3月1日～2018年2月28日）の業績予想では、売上高3426億円（前年同四半期比9.5％増）、経常利益145億円（同▲1.2％）としている。

「ショッピングタウン・グリーンモール」（公式サイトより）

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