ファーストリテイリングnews|島精機との合弁会社で革新的ニット商品開発

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(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正代表取締役会長兼社長)と(株)島精機製作所(和歌山県和歌山市、島三博代表取締役社長)は、両社の戦略的パートナーシップを強化して、中長期的で包括的なニット商品の開発と技術革新への取り組みを加速する。

島精機は、1962年に手袋編機の自動化を果たしてから、先進的なハードウェアと優れたソフトウェアを融合させて、ニット製品を製造する企業に変貌した。現在はコンピュータ横編機の分野では世界シェアNo.1の企業だ。

今回の取り組みの第1は、「ホールガーメント®商品の量産技術の革新」である。2016年10月に、島精機製作所とファーストリテイリングは合弁会社(株)イノベーションファクトリーを設立して、ホールガーメント®商品の製造と、量産技術の蓄積を重ねてきた。

ホールガーメント®は島精機の特許で、縫い目がなく、編地が1枚まるごとつながっているニット製品のことだ。ボディラインに無理なく馴染じみ、なめらかで美しいシルエットを生み出す。さらにごわつき感やチクチクする不快感もない。動いても引きつれにくく、ニット本来の伸縮性を生かした着心地を体感できる。縫い代がない分、通常のニットウェアより軽く、部分的な圧迫感も減少する。

今後は、イノベーションファクトリーで蓄積したノウハウを活用して、アジア一円での海外量産拡大と生産効率の向上を促進する。さらに「情報製造小売業」を標榜するファーストリテイリングのビジョンに沿って、オンデマンドの量産システムを実現させる。つまり顧客と工場を直結させる新しい商品開発・量産プロセスの開発を目指す。

第2は、具体的に「革新的なニット商品の開発」である。両社が持つ研究・開発・生産・販売・マーケティング力と人材を結集し、ホールガーメント®商品を中心に、今までにない新しい価値を持つ革新的なニット商品を共同開発する。

【結城義晴の述懐】ジャパンテクノロジーの島精機と情報製造小売業のファーストリテイリングのコラボレーション。まずアジアを制覇し、さらに世界に向けた事業展開を志向している。国内でも今年の秋から、ユニクロがニット戦略を打ち出すことが予想されるが、もしかしたら島精機の国内の営業との絡みがあって、「アジア一円」と発表されているのかもしれない。

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