ゼンショー マルヤを100%子会社化

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外食だけでなくスーパーマーケットに進出を始めているゼンショーホールディングス(HD)。ご存知、牛丼店「すき家」をチェーン展開する日本一の外食企業。

 

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そのゼンショーHDが20日、昨年11月に株式公開買付け(TOB)で連結子会社化した埼玉県のスーパーマーケット・マルヤを、来春に完全子会社化すると発表した。ゼンショーHDは2013年9月末現在、マルヤの株式78.64%を保有する。

 

来年3月26日に株式交換により完全子会社とする。マルヤ株1株に対して200円の割合で金銭交付する。マルヤは株式交換に先立って、3月20日に上場廃止になる見込み。

 

マルヤは本拠地の埼玉県をはじめ千葉県、茨城県、栃木県、群馬県に11月末現在、56店舗を展開している。2007年2月期以来、営業損失を計上し、昨年11月にゼンショーHD傘下に入ってから経営再建に取り組んできた。

 

ゼンショーHDの商品調達力や資金力を活かし、生鮮部門の強化、鮮魚・青果の生鮮物流センター(埼玉県上尾市)や精肉・日配品を扱うチルド物流センター(埼玉県春日部市)の新設による物流システムの再構築、一部店舗の改装などの諸施策を行ってきた。

 

しかし、改善の兆しは見えるものの全店で改装を実行できなかったことから、2014年3月期中間決算は営業損失▲8億2000万円、経常損失▲7億8700万円、四半期純損失▲7億3700万円で、2007年2月期以来続く営業赤字から抜け出せなかった。

 

ゼンショーHDは、マルヤの抜本的な収益改善を図るには中長期的な投資が必要と判断。短期で結果を求められる市場に左右されることなく、機動的で柔軟な意思決定を行うため完全子会社にすることとした。

 

ゼンショーHDは、外食業と食品小売業を同じ「フード業」というくくりで考える。同社が志向するマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)は、チャネルを増やし、原材料の調達、加工、物流、店舗での提供というサプライチェーン全体で規模のメリットを高める戦略だ。

 

外食とスーパーマーケットの事業を同じ「食」の概念で統合する思考は、日本の企業としては先進的でもある。いま起こっている困難は、その先進性ゆえとも考えられる。

 

 

検索キーワード: ゼンショーホールディングス(HD) マルヤ 完全子会社

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