クイーンズ伊勢丹笹塚店5月15日に36年目の刷新オープン

「クイーンズ伊勢丹笹塚店」が5月15日(金)にリモデルオープンする。

クイーンズ伊勢丹は現在、㈱三越伊勢丹フードサービス(代表取締役社長:内田貴之)が、首都圏を中心に19店舗をネットワークする『高品質な食品専門のスーパーマーケット』(同社表現)。

笹塚店は、1978年11月の開所以来、クイーンズ伊勢丹の旗艦店舗として営業してきたが、今回、オープン36年目の大刷新となる。同社が昨年から掲げてきた『クイーンズ伊勢丹の新しいフォーマット』づくりは、4月の石神井公園店の改装、11月の目白店のオープンで表現されてきたが、笹塚店はさらにそれを進化させたという。すでにスーパーマーケット業界では話題になっている。

リニューアルに際し、ターゲット顧客を主に3つの層に分けて、明確にしている。
第1は、趣味や稽古ごとに忙しく、食へのこだわりが強い50~70代のアクティブシニア。
第2は、子供の教育に熱心な専業主婦。
そして第3は、仕事で忙しい20~30代のひとり暮らしの男女や共働きの夫婦。
つまりは食や教育にこだわり、キャリア志向の強い、ある程度裕福な層をターゲットにする。実際、笹塚エリアは新宿にほど近く、交通の便もいいから、それなりにアッパーな層が多い。

そしてストアコンセプトは、
1、生鮮、ベーカリー、惣菜では、オープン厨房による対面接客で「鮮度感」「ライブ感」「圧倒的な清潔感」を演出する。
2、日配、グロッサリーでは、こだわりの商品と新しい商品集積を展開する。
3、「接客するスーパー」を標榜し、スタイリストによるお客さまとのコミュニケーションを重視する。

このあたり、月刊商人舎5月号で取り上げた阪急オアシスのコンセプトそっくり。
高質スーパーマーケット企業のストアづくりの大きなトレンドなのだろう。

具体的には、青果では対面コーナーや裸売りコーナーを設置。東京都調布地区の契約農家、伝統の京野菜や加賀野菜など生産者の顔が見える産直野菜を拡大する。欲しい分だけ購入できるコーナーや簡便商品も充実させる。
Qisetansasaduka
〈ニュースリリースより〉
水産は、魚種の多さにこだわる。築地市場からの仕入れをメインに、旬の丸魚は小田原や熱海など近郊漁港から朝どれを入荷する。ほかにも北海道の生するめイカなど、産地直送比率を高める。

グロサリー・リカーはオリジナル商品「GreenQ」やバイヤーが全国の老舗銘店から集めたこだわり商品コーナー「こだわりのわ」をアピールする。また商品単体でなく、ライフスタイルや歳時記に合わせて、生鮮品との関連販売を強化していく。栄養価の高いスーパーフードや朝食として定着したグラノーラも専用のコーナーを設置する。

クイーンズリカーでは、デイリーワインから特別な時に飲みたいこだわりのワインまで幅広く品揃えする。また、日本産ぶどう100%で作った日本ワインは強化アイテム。

和日配・洋日配は、原料・品質、健康・美容、おいしさにこだわった各地の名産を集積。たとえばオリジナル商品「GreenQ特選北海道牛乳」をはじめ、島根県木次乳業の低温殺菌牛乳・北海道ノースプレインファームの有機認定牛乳など、こだわりの牛乳を各地から取り寄せて販売。

ベーカリーは、石神井公園店、目白店で導入した「クイーンズピザ」を笹塚店も展開。500度まで上がる専用ピザ窯は焼き上げ時間はわずか90秒。注文を受けてから1枚ずつ焼き、出来立てを提供する。また店内で粉から生地を作り上げるスクラッチ商品を、従来の2割から4割に高め、近隣に多いオフィスワーカーを意識した商品展開を志向する。

そして惣菜。曜日別・時間帯別の品揃えを強化し、お客の需要に対応する。米飯では女性を意識し、雑穀入りの丼やガパオやジャンバラヤなどアジアンフードを新たに導入。また紙皿に彩りの良いおかずを乗せた「サイドディッシュデリ」、生パン粉を使用したフライやコロッケを注文後、揚げるチルドフライコーナーなど、新しい品揃えを試みる。

 

店舗名称:クイーンズ伊勢丹笹塚店
開店日:2015年5月15日(金)
所在地:東京都渋谷区笹塚1-48-14笹塚ショッピングモールTWENTY ONE地下1階
電話番号:03-3485-1251
店長:尾崎篤(おざきあつし)
従業員:社員19名、スタッフ社員119名、アルバイト34名
売場面積:1,985㎡(テナント含む)
営業時間:10時~22時
休業日:元旦

 

三越伊勢丹ホールディングスは「グループのリソースの活用を通じて顧客接点を拡大・充実させ、より多くの顧客にグループコンテンツをご利用いただく」。これを中長期計画の重要戦略に掲げる。
今回の新しいスーパーマーケットスタイル提案は、その取り組みの一環だとするが、「高質スーパーマーケット」の在り方は現在、関西の阪急オアシスのモデルに限りなく近づいていく。

「とんがり★こだわり」こそポジショニング戦略のカギを握るものだが、伊勢丹のとんがりをどこまでスーパーマーケットに表現できるか。それができなければ、コンベンショナルな「高級スーパー」で終わってしまうという危険性をはらんでいる。

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