イオンnews|サプライチェーン全体で脱炭素社会の実現を目指す
イオン(株)(千葉市美浜区、吉田昭夫社長)は、2018年に策定した「イオン 脱炭素ビジョン2050」に基づいて、事業の過程で発生する温室効果ガス(CO2等)を総量でゼロにする取り組みを、グループを挙げて進めている。柱は「店舗」「商品・物流」「お客さまとともに」の3つの側面で構成される。
原料調達・製造・物流・販売・廃棄といった一連の流れ(サプライチェーン)で発生するCO2等の量は、スコープ1(自社の直接排出量)、スコープ2(自社のエネルギー起源間接排出量)、スコープ3(その他間接排出量)で構成されているが、近年、スコープ3までを把握・管理し、対外的に開示する動きが世界的に強まっている。
多くのサプライヤーと事業活動を行っているイオンは、脱炭素社会の実現においてもサプライヤーとの連携を強め、サプライチェーンにおけるCO2等の削減をより確実なものにするため、スコープ3排出量の管理・削減に向けた取り組みを本格的に開始する。
イオンのスコープ3排出量は、原材料の調達、パッケージングの外部委託、消耗品の調達などの活動に伴うカテゴリー1「購入した製品・サービス」が、15あるカテゴリーのうちの約半分を占めている。そのため、まず初めにイオンのプライベート・ブランド「トップバリュ」の食品、H&BC の主な製造委託先に対して「気候変動への取り組みに関するアンケート」を実施し、各社の気候関連課題への方針や取り組み状況、イオンへの要望などをヒアリングする。将来的には、トップバリュ商品の製造過程で発生するCO2等をより高精度に算出し、サプライチェーン全体での具体的な削減計画を策定するほか、脱炭素推進に向けた企業間連携にもつなげたい考えだ。
スコープ1、スコープ2については、イオンはすでにさまざまな形で達成度の把握・管理を行っており、店舗から出るCO2削減に向けて、2030年までに50%を再生エネルギーに切り替える目標を新たに定めた。これは、地球の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度未満に抑えるという国際イニシアティブ「Science Based Targets(SBT)」の認証を受けた目標であり、2040年を目途に事業の過程で発生するCO2などを総量でゼロにするという目標達成を目指す。