三越伊勢丹news｜第1Q売上高1963億円49.1%増も営業損失60億円

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)が、2022年3月期第1四半期の決算を発表した。

当期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、適用前の前期の実績値に対する増減率は記載していない。

2021年4月1日～6月30日の売上高は885億6600万円(前年同四半期は1316億9800万円)だった。一方、｢収益認識に関する会計基準」等を当該基準等を適用しなかった場合の売上高は1963億1600万円(前年同期比49.1％増)。前年の新型コロナウイルス感染症拡大による休業・短縮営業の反動で大幅な増収となった。

営業損失は60億2700万円(前年同四半期は営業損失89億8900万円)、経常損失は57億4200万円(同経常損失98億5900万円)、四半期純損失は86億7300万円(同純損失305億8400万円)で、前年同四半期に比べて赤字幅は縮小した。

主力の百貨店業は、売上高776億0300万円(前年同四半期は1163億9400万円)、営業損失82億3900万円(前年同四半期は営業損失111億8500万円)。

コロナ禍での制約のある環境下において、外商や昨年来整備した三越伊勢丹アプリ、リモート接客のインフラを最大限に活用した営業活動を強化した。アプリでのインセンティブ施策や、外商と連携したラグジュアリーブランドや宝飾の限定販売会、地域店舗への出張販売などを実施した結果、ロイヤルティの高い顧客層の売上げは三越伊勢丹の両本店を中心に堅調に推移した。

オンライン販売では、実店舗をもつ利点を活かしてシームレスな取り組みを進めた。例えば三越日本橋本店では、休業中の催事場を活用してオンラインライブ配信し、著名イラストレーターの作品をEC限定で販売した。５月～６月の母の日・父の日のギフトや中元用の贈答品についてもオンライン販売が加速し、EC売上高は大きく伸長した。また、食品宅配の「ISETANDOOR」も、計画を上回る売上高となった。

商業施設事業は、売上高776億0300万円(前年同四半期は1163億9400万円)、営業損失82億3900万円(前年同四半期は営業損失111億8500万円)。

緊急事態宣言発出に伴う休業が影響し、テナント売上高の減少や一部テナント退店による賃料収入の減少がみられた。

クレジット･金融･友の会業は、売上高72億7300万円(前年同四半期は74億1200万円)、営業利益は16億3200万円(前年同四半期は営業利益14億2600万円)。

(株)エムアイカードは、売上高・営業利益が当初計画値、前年値とも下回った。緊急事態宣言下でのグループ百貨店の部分営業や時短営業による取扱高減少や、外部加盟店利用の大幅減少、また取扱高の減少に付随した割賦残高の減少などがその理由だ。一方、販売管理費は自粛期間中の各種施策の停止や、店舗休業に伴って変動コストが減少した。

また、新型コロナ感染症拡大の影響が継続するなか、営業拡大の施策として、ApplePay・GooglePayの導入による会員利便性の向上と外部利用の促進を図った。さらに新しい顧客層獲得のためのグループ外企業との提携カード発行などに取り組んだ。

不動産業は、売上高41億1400万円(前年同四半期は72億8100万円)、営業利益13億1900万円(前年同四半期は営業利益13億9400万円)。

(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインは、建装事業や環境創造事業において、大型物件の受注減少、コンストラクションマネジメントや企画開発案件の受注減少に伴って、売上高は減少した。