イオンニュース｜｢持続可能な調達方針･2020年目標｣を策定

イオン㈱は、2017年4月19日、「イオン持続可能な調達方針」「持続可能な調達2020年目標」を策定した。農産物、畜産物、水産物、紙・パルプ・木材、パーム油が対象。

イオンは、CSR（corporate social responsibility＝企業の社会的責任）活動と事業活動が一体となった経営の実現に向けて、さまざまな取り組みを進めてきた。2011年には「イオンサステナビリティ基本方針」を制定し、2014年には「ビッグチャレンジ2020」を掲げている。

今回は、「ビッグチャレンジ2020」でも掲げた「サプライチェーンにおける持続可能な調達ガイドライン制定」に基づいて調達方針と目標を定めている。また、2015に国際連合が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に含まれる持続可能な開発目標（SDGs）に適うものとなっている。
※国連の持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）

たとえば農産物は、調達方針を「自然・生態系・社会と調和のとれた持続可能な農産物の調達に努めます。イオン自らも野菜を栽培することで安全でおいしい野菜を提供し、安心してくらせる食の未来の創造に貢献します」としている。そして2020年目標として、「プライベートブランドは、GFSI1ベースの適正農業規範（GAP）管理の100％実施をめざす。オーガニック農産物売上構成比5％をめざす」とする。

詳細は「イオン持続可能な調達方針・2020年目標」に譲るが、2020年目標だけを列記する。

[畜産物]
プライベートブランドは、GFSIベースの食品安全マネジメントシステム（FSMS）または、適正農業規範（GAP）による管理の100％実施をめざす。

[水産物]
イオン(株)連結対象の総合スーパー、スーパーマーケット企業で、MSC、ASCの流通・加工認証（CoC)の100％取得をめざす。また主要な全魚種で、持続可能な裏付けのあるプライベートブランドを提供する。

[紙・パルプ・木材]
主要なカテゴリーのプライベートブランドについて、持続可能な認証（FSC認証等）原料の100％利用をめざす。

[パーム油]
プライベートブランドは、持続可能な認証（RSPO等）原料の100％利用をめざす。

いずれもプライベートブランドでの取り組みが主となっているのがわかる。また下の図はこれまでの取り組みを含めた「ロードマップ」だが、これを見ても、イオンがグローバルスタンダードに準拠した活動を進めていることがわかる。

たとえば、農産物では1993年に有機栽培等による自社ブランド「グリーンアイ」（現「トップバリュグリーンアイ」）の農産物の販売、2002年には、国際的な農業生産工程管理基準である「EurepGAP（現GlobalGAP」に基づくAEONGAPを導入。また、「イオン農場」を運営するイオンアグリ創造(株)では、2009年の会社設立当初から、GlobalGAP手法による農場管理を実践してきた。

水産物は、2006年に国際的に「海のエコラベル」として知られる「MSC認証」商品の販売を開始。2014年には、「養殖版・海のエコラベル」である「ASC認証」商品を、アジアの小売業で初めて販売している。

最新号の月刊商人舎4月号では｢商品ロス管理×Sustainability」を特集した。ホールフーズはもちろん、ウォルマートもサスティナビリティ経営に舵を切っていることを報告した。サスティナビリティに関してはグローバル調達網を駆使するイオンが、日本ではもっとも進んでいる。

※認証団体について紹介しておく。

GFSI（Global Food Safety Initiative）
世界食品安全イニシアチブグローバルに展開する小売業、食品メーカーで構成するTCGF（The Consumer Goods Forum）傘下の食品安全の推進団体。食品安全の認証も実施

MSC（Marine Stewardship Council）
海洋管理協議会持続可能で社会的に責任ある方法で漁獲された天然水産物を認証

ASC（Aquaculture Stewardship Council）
水産養殖管理協議会環境や社会に配慮した養殖場で生産された水産物を認証

FSC（Forest Stewardship Council）
森林管理協議会管理や伐採が、環境や地域社会に配慮して行なわれている森林を認証

RSPO（Roundtable on Sustainable Palm Oil）
持続可能なパーム油のための円卓会議世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー（関係者）の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進

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