3月家計調査統計|消費支出6.2%増で4カ月ぶりにプラス/実収入1.0%減少
総務省統計局が3月の「家計調査」を報告した。家計調査は家計の収入・支出、貯蓄・負債などを毎月調査し、景気動向の把握、生活保護基準の検討、消費者物価指数の品目選定およびウエイト作成などの基礎資料として利用されているが、わずか全国約9000世帯を対象としていることを念頭におきたい。
3月の2人以上の消費支出は30万9800円で、物価変動の影響を除いた「実質」では前年同月比6.2%増と、4カ月ぶりにプラスとなった。また、2人以上の勤労者世帯の1世帯当たり実収入は、48万4914円と前年同月比1.0%(実質)減少した。
費目別消費支出(2人以上世帯・実質)では、3月は新年度の準備などで、授業料、教科書、学習参考教材の「教育」が30.4%増加した。また、転居を伴う異動で「住居」が28.9%増加した。一方、コロナ禍の外出自粛で「交通・通信」は3.1%減少した。
消費行動に大きな影響がみられた品目の2021年3月実質増減率は、新型コロナウイルス感染症やうるう年などの影響のあった2020年ではなく、2019年との比較となっている。
食料品では、巣ごもり消費で需要が伸長した冷凍調理食品が38.0%増、酒類が32.7%増加した。一方、緊急事態宣言発出によって飲食店の時短営業で、飲酒代が76.8%減、食事代は25.7%減だった。
マスクやガーゼなどの保健用消耗品は35.3%増、除菌スプレーなどの家事用消耗品は12.2%増の一方、口紅が46.1%減、テレワークで背広服が39.6%減となっている。