11月スーパーマーケット統計|既存店2.0%増/総売上高9503億円3.3%増
一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ)のスーパーマーケット3団体が11月の販売実績速報値を発表した。3団体の集計企業数は270社、8360店舗。
総売上高は9502億7568万円で既存店前年同月比は102.0%、全店でも103.3%と好調に推移した。相次ぐ値上げにより、買上点数の減少傾向があったものの、一品単価の上昇により、売上高は確保した店舗が多かった。
食品合計は8600億1061万円で既存店102.3%。生鮮3部門合計は、3240億6985万円で101.2%だった。
青果が1257億1192万円で101.6%。
11月中旬頃まではやや相場高、その後相場安の傾向だったが、買上点数の増加によって好調だった。葉物や白ネギ、菌類など鍋関連野菜、煮物用の根菜類が好調となった店舗が多い。国産の果物類はおおむね供給が安定し、りんごや柿、梨が好調に推移したが、前年好調だったみかんやイチゴは出荷が遅れ、伸び悩んだ。輸入果実は円安による価格高騰で不振となっている。
水産は805億8814万円で98.8%と、食品部門では唯一のマイナス。
燃料費や養殖飼料等の高騰による相場高が続き、やや不調となった。気温の低下とともに、鍋・おでん関連商材の動きがよかった。塩干類は、家飲み需要の落ち着きや価格高騰もあり、点数減で厳しい状況が続いている。
畜産が1177億6979万円で102.6%。
前年より気温が低く推移した地域を中心に、豚肉や鶏団子など鍋物用の商材の動きがよかった。牛肉は国産、輸入ともに動きが鈍いが、豚肉は小間切れやミンチなどが好調で前年並みを確保した。鶏肉は鳥インフルエンザの影響を受け、調達に苦心するなど、伸び悩んだ店舗もみられた。
惣菜は1002億3345万円の104.6%。
調理油の値上げの影響もあり、揚げ物類や中華惣菜を中心に引き続き好調となった。行楽需要やイベント再開、通勤再開による夕方以降の需要回復により、米飯類の動きがよかった。また気温の低下により、麺類などのホットメニューも好調に推移した。原材料や包装資材の値上げが続き、利益を圧迫する状況が続いている。
日配は1917億5604万円の103.8%。
乳製品やパン類など値上げの影響で買上点数の減少傾向はみられるが、単価上昇により売上高は好調に推移した。冷凍食品や機能性の乳酸菌飲料は引き続き好調。アイス類も動きがよい。前年低調だったチルドピザ、キムチなどの発酵食品、チーズやバターなどにも回復傾向がみられた。
一般食品は2439億5127万円で101.7%。
鍋物用のつゆ、カレーやシチュー、麺類やパスタなどのホットメニューは好調に推移した。菓子類も冬物や大型パックの動きがよかった。値上がり後低迷していた食用油には回復傾向がみられた。酒類は競合店舗との価格競争激化で苦戦した。ボジョレーヌーボーの解禁月だったが、今年は価格が高騰したため不調だったという声が多かった。
非食品は686億1284万円で97.9%。
感染拡大傾向で、マスクやハンドソープ、除菌関連などの衛生用品は需要が高まった。気温の低下によりカセットボンベなど冬物の動きがよかった店舗もみられた。値上げの影響で競合業態への流出もみられる。
最後に、その他が216億5270万円で94.5%。
エリア別では全エリアで前年を超えた。また店舗規模別では、保有店舗数が10店以下の企業が97.6%と前年を割っている一方で、51店舗以上の大規模企業では102.3%となっている。
1店舗当たりの平均月商は1億1367万円、売場1㎡当たり売上高は6.9万円だった。