9月外食統計|全店売上高8.2%増/残暑で冷たい商品と季節メニューが共存

(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が2024年9月度の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は215社、店舗数は3万5717店舗。このうちファストフードは2万0728店舗で、全体の58.0%を占める。

9月の外食全体の売上げは前年比108.2%、店舗数は99.8%、客数104.0%、客単価は104.0%と好調だった。

9月は2度の三連休と日曜が1日多い曜日周りで、客足は堅調に推移した。また9月までの累計訪日外客数が昨年1年間をすでに上回っていて、これが売上増に寄与した。天候面では全国的に残暑が厳しく、各地で9月の観測史上最高の気温を記録したことで、冷たいドリンク類などが売れた。加えて季節定番メニューも堅調な売れ行きを見せた。

業態別では、ファーストフード業態は引き続き好調で、売上高106.9%。「洋風」は月見シーズンの定番メニューが各社好評で、104.1%。「和風」は季節メニューと割引キャンペーンで集客が好調で、111.0%。「麺類」は雨天が少なく人出が増え、サイドメニューの売れ行きも好調だったことから、110.8%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」はCMが奏功し、新商品が好調だったうえ、地方にも波及した訪日外客需要などにより、105.1%となった。「その他」は、「アイスクリーム」が休祝日の増加と残暑が居座ったことで売上げを伸ばし、111.8%と伸長した。

ファミリーレストラン業態は全体で売上げ111.5%となった。「洋風」はフェア商品やタレントを起用した秋のキャンペーンのCMなどで集客し、113.3%。「和風」は初旬の台風の影響にも負けず、松茸や鮭など秋の食材フェアが奏功したことに加え、スマホアプリによる若年層へのアピールも好調で、112.6%となった。「中華」は創業記念の割引クーポンなどで集客が増え、108.4%。「焼き肉」は昨年好評だったキャンペーンを今年も展開し、主要メニュー価格を据え置くなどで、107.2%となった。

パブ・居酒屋業態は、初旬に台風の影響を受けるも、それ以降は2度の3連休(シルバーウィーク)でインバウンドなどの集客が堅調だった。また季節の新メニューの好評、引き続き好調なビールの売れ行きなどで、売上げ104.2%となった。

ディナーレストラン業態は日曜日が1日多かったことで集客は順調に増加した。底堅い訪日外客需要とあいまって、売上げは105.6%となった。

喫茶業態は残暑が厳しかったことで冷たいドリンクの売れ行きが伸びた。ショッピングセンターや百貨店で客足が増え、売上げは110.1%となった。

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