2月の百貨店売上高は前年比101.1%と11カ月ぶりのプラス

平成27年2月の全国百貨店売上高概況が、日本百貨店協会から発表された。

売上高は4457億5074万円、前年同月比1.1%。11カ月ぶりのプラスとなる。
昨年4月の消費税率引き上げ後、初めて、既存店ベースでプラス1.1%、
全店ベースでプラス0.6%と、増収を確保した。

百貨店協会はその要因をこう分析する
*初旬は北海道を中心に暴風雪など天候のばらつきがあったが、
 中旬以降は好天が続き気温が上昇したことから、春物商材が順調に推移。

*株高による消費マインドの向上。
*バレンタインなどの催事効果。
*春節休暇による外国人売上高の底上げ。

地区別では、
東京は 1174億0558万円    プラス5.3%(4カ月連続)
大阪は   564億9431万円    プラス0.5%(8カ月連続)と前年を確保
札幌は   119億5640万円    プラス5.0%(3カ月ぶり)と高い伸び
前年高実績の反動から伸び悩む地域もあったが、
10都市計は1.6%増を確保し3カ月ぶりのプラスとなった。

また10都市以外の地区では
関東が663億1867万円  プラス1.5%(11カ月ぶり)となったことから、
地方都市もほぼ前年をクリア。

商品別では、
衣料品    1389億5698万円    プラス2.3%(5カ月ぶりプラス)
身の回り品    556億9868万円    マイナス1.9%(3カ月連続マイナス)
雑貨    729億4659万円    プラス3.4%(4カ月連続プラス)
家庭用品    214億5738万円    マイナス8.5%(11カ月連続マイナス)
食料品    1298億4274万円    プラス1.2%(11カ月ぶりプラス)

売上構成比の高い衣料品、雑貨、食料品が好調で、
家庭用品、身の回り品のマイナスをカバーした。

細分類では、
紳士服    272億5148万円    プラス3.7%
婦人服    908億9431万円    プラス2.8%
子供服    106億0621万円    プラス5.8%
化粧品    293億8024万円    プラス7.7%
衣料品が全体数値を下支えした。

訪日外国人売上高はプラス235.8%。
春節休暇による中華圏からの観光客増に向けた事前準備が奏功。
統計開始以来、単月として初めて150億円台を超える実績を記録した。

日本政府観光局(JNTO)によると、
2015年2月の訪日外客数は、前年同月比57.6%増の138万7000人。
これまで2月として過去最高であった2014年(88万人)を50万7000人上回った。
また、2014年10月の127万2000人をも上回り、
年間を通じた単月としての過去最高を記録した。
2014年3月から12カ月連続で、月間の訪日外客数が100万人を突破した。

ビザの緩和、消費税免税制度の拡充、円安などに加え、
訪日プロモーションも成功しているといわれてる。

3月、4月は卒業、入学、入社シーズンであり、婦人服や子供服の消費が増えると予想され、
2月のプラスに続き、衣料品には期待がかかる。入学にともなう雑貨などの需要も多くなる。

またお花見のシーズンの到来で、お弁当、飲料などの食料品の消費も動く。
日本人だけでなく、桜観賞を目的とした訪日旅行者も多いといわれ、
外国人観光客へのプロモーションが鍵となる。

3月18日に2015年春の労使交渉で、自動車や電機などの主要企業が、
ベースアップ(ベア)に相当する賃金改善や一時金を組合側に一斉回答した。
過去最高水準のベアを実施する大手企業もあり、久しぶりの明るいニュースとなっている。
外国人客に押され気味だったが、日本人客の財布の紐も少し緩くなることを期待したい。

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