8月訪日外客数統計|中国80万人突破が牽引し21%増の248万人来訪
8月の訪日外客数が日本政府観光局(JNTO)から発表された。
訪日外客数は247万8000人で、2016年8月の204万9000人を約42万人上回り、20.9%増。8月として過去最高を記録した。
多くの国が夏期休暇シーズンを迎える中、航空路線の新規就航や増便、訪日クルーズの就航も旅行者獲得の要因となった。また旅行需要が高まるこの時期に合わせたプロモーション効果も大きかった。
国別の状況を見てみよう。
[東アジア]中国は単月として、韓国、台湾、香港は8月として過去最高
中国――81万9700人(21.1%増)。ビザ緩和で個人旅行者が増加していること、クルーズ船の増加、継続的なプロモーション効果により、初めて80万人を突破した。
韓国――62万0900人(35.3%増)。格安航空会社を中心に増便、チャーター便の運航がなされたことが好調要因。またSNSなどを活用したプロモーションも成果を上げた。
台湾――37万7800人(13.4%増)。地方へのチャーター便や訪日クルーズの増加、またウェブサイトやデジタルサイネージでの動画配信が貢献した。
香港――19万6800人(23.5%増)。定期路線の増便による航空座席供給量の増加、また香港の大手旅行雑誌が日本の特集記事を掲載したことが影響した。
[東南アジア]すべての国で昨年を上回る
8月として過去最高を記録したのは、タイ3万6200人(4.4%増)、ベトナム2万4700人(43.6%増)、フィリピン2万1300人(22.5%増)、マレーシア2万1100人(35.8%増)、シンガポール1万5300人(26.8%増)、インド1万0100人(8.2%増)の6カ国。各国ともプロモーションやキャンペーン効果によるところが大きく、とくにインドでは日刊紙に日本特集が掲載されたことで日本への関心が高まった。インドネシアは1万4000人(9.1%増)とプラスを維持している。
[豪州・北米]3カ国すべて8月としては過去最高を記録
アメリカ9万2000人(3.6%増)、カナダ2万2400人(2.3%増)、オーストラリア2万2200人(14.5%増)。SNSなどによる情報発信や訪日旅行プロモーションの効果と、夏季増便が好調要因。アメリカの Lonely Planet 誌が発表した「BEST IN ASIA」では、横浜・鎌倉が2位、高山が6位にランクインし、ゴールデンルート以外の場所も高く評価されている。
[欧州]イタリア、スペインは昨対比マイナス
8月として過去最高を記録したのは、フランスが2万4600人(3.9%増)、イギリス2万2200人(3.5%)、ドイツは1万4300人(0.8%増)の3カ国。フランスの好調要因は、欧州最大の日本文化展示会「Japan Expo」や旅行博への出展に加え、継続的なプロモーション効果によるもの。
一方マイナスは2カ国。イタリアは1万7200人(6.4%減)。世界情勢を背景とし国内旅行志向が高まっているため。またスペインは1万4900人(1.1%減)。昨年の為替動向を踏まえたツアー価格や航空運賃の高騰が影響している。
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