イトーヨーカ堂news|3/15「FOUND GOOD」東大和に開設/250坪最大規模
(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区、山本哲也社長)は3月15日(金)、新アパレルブランド「FOUND GOOD(ファウンド グッド)」の最大規模となる売場を開設した。場所はイトーヨーカドー東大和店。FOUND GOODは(株)アダストリア(東京都渋谷区、木村治社長)とのコラボレーションで展開するブランドだ。
ファウンド グッドはアダストリアが主体となって新たに導入された。2月15日に木場店で1号店を開設し、以降、既存店での順次開設を進めて、6月ごろまでに64店舗への拡大を目指している。
ビジネスシーンに対応したラインアップをイトーヨーカ堂向けに揃えた。
売場面積は100坪、150坪、200坪、250坪の4タイプをモデルとしていて、東大和店は250坪モデルの第1号となる。ファウンドグッド東大和店は1階フロアにあり、食品売場とコンコースを挟む非食品売場に新設された。売場はレディス、メンズ、キッズ、雑貨で構成されている。売場面積、売上げともレディスが5割となる見込みだ。
カフェでは来店客がくつろぐ。
売場内にはカフェを新設した。食品売場で買った商品の飲食が自由にできるスペースで、セブンカフェや小物雑貨が販売されている。また、wifi対応、AC電源が設置されていて、自由に使用できる。
キッズ売場を拡大して、外出着、室内着を揃える。
250坪の売場で拡大したカテゴリーはビジネスシャツ、子ども服、雑貨である。ビジネスシャツは本来、アダストリアの各ブランドでは取り扱われないカテゴリーだが、ファウンド グッドの展開にあたり、新たに開発され、投入された。
子ども服では親子で同じコーディネイトを楽しめる提案を外出着やパジャマで行う。雑貨ではキッチンウェア、スマホ用のガジェットなどの生活必需品から、ビジネスバッグ、旅行用のキャリーバッグなどまでを扱っている。
雑貨は品揃えを拡大して外出需要に対応する。
雑貨はとくに動きがいい。
「3月は天候面に恵まれたこともあり、先行導入店では計画を大幅に超えた数値です」(梅津尚宏執行役員専門店事業部長)。
イトーヨーカドー東大和店は2003年にオープンした。以来、2層の総合スーパーとして営業していた。ファウンド グッド開設に際し、1階の非食品ゾーンは約2週間の休業期間を設けた。2階は大規模なテナント導入を控えていて、まだ閉鎖中となっている。
売場と商品のポイントを解説するイトーヨーカ堂 梅津尚宏執行役員専門店事業部長。
自主アパレルからの撤退を発表しているイトーヨーカ堂が、なぜ、アダストリアと組んでファウンドグッドを開発したのか。梅津氏は協業について2つの考え方を語った。
「第1に収益の確保。食へのフォーカスと言っても、非食品スペースをすべてテナントにすると、EBITDA、ROICなど利益指標が計画未達になるからです。第2に30代から40代の顧客層が求める日常生活のワンストップショッピング対応のためです。とくにアパレルでは20代から40代に高い支持を得ているアダストリアとの協業が有効と判断しました」
アダストリア側は「総合スーパー内の出店は初めてとなるので、食品売場との関連を意識した商品開発のヒントを得たい。総合スーパーの良さを生かして地域コミュニティの活性化に貢献したい」
両社は1年程前からイトーヨーカ堂の販売データの共有を行って、売れ筋商品から顧客の嗜好や素材を検証してきた。そのうえでアダストリア流に商品の見直をした。
また、今回の導入が予定されている64店舗の担当者をイトーヨーカ堂の研修センターに集めて、商品知識、OJTについて計2週間の集合研修を実施した。
梅津氏は、ファウンドグッドの売場をづくることで、運営について2つの点で変わると説明する。「第1に今まで52週MDでしたが、26週MDに変わっていくことで、2週間単位で商品を切り替えていきます。第2に今後、増えていく30代、40代の来店客に対して、商品の良さがしっかり伝わる売場づくりを行います」