JR西日本エキナカにセブン-イレブン5店舗が6月4日同時オープン
今年3月に提携を発表したセブン-イレブンとジェイアール西日本デイリーサービスネットとの
提携によるエキナカ店舗事業の初の出店が決まった。
6月4日にJR西日本の主要ターミナル駅に5店舗が同時オープンする。
①セブン-イレブンキヨスクJR京都駅西口改札内店[(15㎡)
②セブン-イレブンハートインJR京都駅東口改札内(40㎡)
③セブン-イレブンハートインJR岡山駅中央改札口店(140㎡)
④セブン-イレブンハートインJR下関駅リピエ店(100㎡)
⑤セブン-イレブンハートインJR博多駅筑紫口店(130㎡)
既存のキオスク店をセブン-イレブンに改装したイメージは次の通り。
バナーの知名度とセブンのPBをはじめとする商品力で、
従来のエキナカ店舗の活性化を図る。
店舗コンセプトとイメージ図
セブン-イレブンと言えども、
エキナカ店舗としてのマーチャンダイジング(MD)力と、
乗降客数に応じた商品補充をはじめとするオペレーション力が課題になる。
小型店は、一応、形は作りやすい。
既存レギュラー店舗の縮小版で、店づくりや品ぞろえをすることは可能だからだ。
しかし「小型の店は難しい」。
店舗の大型化よりも、小型化のほうが、はるかに難しい。
「セブン-イレブン・エクスプレス」というフォーマットは2004年から実験されている。
標準パターンの100㎡のコンビニエンスストアの半分にダウンサイジングされたコンビニ。
商人舎の主張する業態が細分化された「フォーマット」開発そのものだ。
ここで問題になるのが、いかにアイテムを絞り込むかという課題。
雑貨部門から大幅にアイテム削減し、加工食品からも菓子からも、どんどん絞り込む。
有名な事例では、祝儀袋と不祝儀袋がある。
祝儀は、あらかじめ日程が決められているが、不祝儀は、突然、起こる。
だから突然のニーズに対応すべきコンビニ業態では不祝儀袋を品揃えする。
このようにして50㎡のフォーマット開発が行なわれた。
しかし街中のセブン-イレブン・エクスプレスはなかなかうまくいかなかった。
フォーマットには、最適の収益構造がある。
そのモデルが最適であればあるほど、それを小型化すると、経営構造上、矛盾が生じてしま
う。
「小型化」とは新しいマーケティングによって、新しいフォーマットを創造することなのである。
セブン-イレブンという世界最強のモデルを、乗降客数が多いエキナカに出店する。
一見、成功しそうだが、上手くいくかどうかはまったく分からないのである。
ただし2009年にセブン-イレブンと京急ストアの子会社京急ステーションコマースが業務提携
して、東京・神奈川の京浜急行エキナカにつくった小型店は、大いに参考になっているだろ
う。
だから今回の5店舗のうち、JR京都駅改札内の西口の15㎡と東口の40㎡に、ことさら、注目
が集まる。
これが成功すれば、エキナカにずいぶんたくさんの出店余地が生まれるからだ。
あとの3店舗はいずれも100㎡を超えている。
通常のセブン-イレブンとハートインの合体型で十二分に効果を発揮するだろう。
なお、6月4日のオープン時には、記念セレモニーと記念セールを実施する予定だ。