ウォルマート2014年第1四半期発表で「微増収」ながら大寒波の影響で「減益」
世界の小売業のトップに君臨し続けるウォルマート。
昨日、2014年第1四半期決算が発表された。
まず結論からお伝えしよう。
4月30日までの3カ月の結果は、まあ増収減益。
総売上高は1141億6700万ドルで、
前年同期比プラス0.8%。
うち、米国内ウォルマートは
678億5200万ドルでプラス2.0%。
「ウォルマート部門」とはフォーマットで言えば、スーパーセンターとディスカウントストア。
国際部門は324億2400万ドルでマイナス1.4%。
ただし、為替の影響を除いた場合では、
3400億ドルでプラス3.4%となっていたと推測される。
さらにサムズ・クラブ部門は138億9100万ドルでプラス0.1%。
純利益は35億9300万ドルで、マイナス5.1%となった。
第5代CEOのダグ・マクミロンのコメントは「悪天候が米国内販売に打撃を与えた」。
天候のせいにするなとは言えない。1月から2月にアメリカに来襲した大寒波で、ナイアガラの滝が凍りついた。車が雪に埋もれた。ウォルマートでは客数が1.4%減少。これは営業利益の約3%にあたる。
米国内既存店の売上高(ガソリンを除く)は、
ウォルマートでマイナス0.1%、
サムズ・クラブはマイナス0.5%、
よって国内全体では0.2%の減少となった。
既存店客数は、寒波の影響もあって、
国内ウォルマートが1.4%マイナス、
サムズ・クラブも0.2%のマイナス。
しかし客単価は国内ウォルマートでプラス1.3%、
サムズ・クラブではマイナス0.3%だった。
一方で、Eコマースの売上高は0.3%の増加を見せている。
いま、Eコマースとともにウォルマートが力を注ぐのが「ネイバーフッド・マーケット」。
つまりスーパーマーケット部門だが、このフォーマットは今四半期も好調。
既存店売上高が約5%の伸びを見せている。
2年前と比較し、売上高は2倍に増加し、
4月で46カ月連続売上げ増を記録している。
2014年もおおむね好調のスタートを切ったウォルマートである。
しかしかつてのように平然と二桁成長を成し遂げる姿は、もう、ない。
断トツの世界最大小売業、そして世界最大の企業を競うウォルマートの成長に、
パーセンテージでの評価や表現は当てはめにくいのだと言える。
1年の4分の1で総売上高伸び率の0.8%は、85億ドル、つまり8500億円。
年間換算するために4倍すると340億ドルになって、3兆4000億円もの成長が予測できる。
ウォルマートの今年第1四半期のスタートは、
サーベラスに買収されたセーフウェイの年商分を上乗せするくらいの規模なのである。
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ここで一つ豆知識。
ウォルマート・ストアーズのホームページをみると、
第1四半期発表のニュースは
「Walmart Reports FY15 Q1 Earnings」というタイトルで出てくる。
直訳すると、「ウォルマート、FY15 Q1の利益を発表」。
さて、FY15やQ1とは何のことか。
まず「Q1」はQuarter 1⇒1st Quarter、つまり第1四半期を示す。
そして「FY」はFiscal Year、つまり「会計年度」の略。
ウォルマートは1月末決算なので、
この場合は「2015年1月末決算の年度」という意味になる。
ただし、企業によって会計年度の時期が違うため、
FY14と表記している企業もあれば、
ウォルマートのように翌年の決算月にあわせてFY15としている企業もあるので
ご注意いただきたい。
<編集部>