三越伊勢丹news|上半期5953億円/百貨店事業インバウンドで黒字転換
(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、杉江俊彦社長)が、第2四半期連結累計期間(2017年4月1日~9月30日)6カ月の決算を発表した。
売上高は5952億6100万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は76億4900万円(25.4%増)、経常利益は95億5200万円(26.0%増)、純利益は1800万円(99.8%減)だった。
そのうち収益の柱である百貨店業は、売上高5331億4800万円(0.2%増)、前年同期は営業損失4億5800万円だったが、今期は34億3000万円の営業利益に転じた。
基幹店は、訪日外国人顧客の増加や株式市場の活況効果もあって、売上高は回復傾向にある。その中で、経費の見える化を進め、コストコントロールを強化した。あわせて、各店の方向性およびターゲットを改めて明確化するための検討を具体的に進めている。
支店、地域百貨店、海外店は、収益性に課題のある店舗の構造改革について検討。その結果、伊勢丹松戸店の営業を2018年3月に終了する。中小型店舗は、雑貨と食品を中心とした編集型小型店「エムアイプラザ」の新規出店計画の見直しを行い、不採算店舗5店舗の営業終了を決定した。現在、全国で28店舗を展開している。
一方、ラグジュアリーコスメの編集ショップである「イセタンミラー」は、首都圏を中心に14店舗を展開し、順調に推移している。9月には、「東急プラザ表参道原宿店」をセミセルフ業態としてリニューアルオープンした。10月には、新丸の内ビルや広島駅構内へ出店し、合計16店舗となった。EC事業は、基幹3店と連動した企画や展開商品の拡大により、顧客の利便性向上に取り組んでいる。
小売・専門店業は、売上高274億4600万円(3.1%増)、営業損失は5億2100万円(前年同期は営業損失8億2000万円)。
首都圏を中心に高級スーパーマーケットを展開する(株)三越伊勢丹フードサービスは、昨年のリモデルオープンの効果もあり、売上げが伸長した。なかでも府中店と仙川店は、品揃え、価格帯のテコ入れを行った結果、赤字幅の削減に繋げることができた。しかし依然として、5期連続で赤字。そのスーパーマーケット事業の株式の大半を、三菱グループ系の投資ファンドである丸の内キャピタルに売却した。また、(株)マミーナは、2018年3月で事業を終了する。
本業回復と事業整理が三越伊勢丹の今期の経営である。
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