J.フロントnews|第3Q売上高9404億円2.9%増・営業利益20.4%減
J.フロントリテイング(株)(東京都中央区、小野圭一社長)が2026年2月期の第3四半期決算を発表した。
3月1日~11月30日の連結業績は、総額売上高9403億6500万円(前年同期比2.9%増)、売上収益3281億2700万円(3.8%増)、事業利益415億1100万円(7.4%減)、営業利益406億9200万円(20.4%減)、税引前利益374億4000万円(24.2%減)の増収、大幅減益だった。
営業利益率は12.4%。

百貨店事業の業績は、売上収益1941億5800万円(3.8%増)、事業利益238億9600万円(11.4%減)、営業利益228億5600万円(9.6%減)。ラグジュアリーブランドをはじめとした高額品を中心に免税売上高が減少した一方、国内顧客の売上げは堅調に推移した。
リテール事業の新たな成長に向けて、同社グループが有する目利き力や調達力、ネットワークなど組織能力を融合した自社コンテンツの開発・保有に関し、次世代スイーツブランドを他社と共同で開発し、10月に大丸札幌店、大丸東京店で2ブランドをオープンした。また、共同出資によるオリジナルスイーツ販売運営会社を設立し、10月に大丸東京店に新スイーツブランドをオープンした。
SC事業の売上収益は501億9500万円(4.0%増)、事業利益127億8600万円(7.3%増)、営業利益130億3300万円(16.5%増)。国内に加えインバウンド取扱高の好調が持続し店舗賃貸収入が増加したこと、決済手数料収入が増加したことなどにより営業収益が増加し、事業利益は増益となった。
「渋谷PARCO」の大型改装を9月に完了し、人気漫画の世界初の体験型公式ショップや、人気ゲーム会社国内初となる旗艦店がオープンするなど、「グローバルニッチ」のテーマに基づく日本発のコンテンツを強化した。「広島PARCO」ではエンタテインメントフロアをオープンし、「仙台PARCO」では開業来最大規模の大型改装を実施した。
また、カルチャー領域の事業展開を通じて培った独自の目利きと創造性を活用し、ゲームパブリッシング事業に本格参入した。8月に立ち上げた新レーベル「PARCO GAMES(パルコゲームズ)」では、11月にパブリッシングタイトル第1弾として「The Berlin Apartment」、2作目として「Constance」の発売を開始した。
デベロッパー事業の売上収益は618億3100万円(4.9%減)、事業利益は57億7500万円(9.5%減)、営業利益は56億7900万円(10.6%減)。売上収益は、主に、(株)J.フロント建装の前年の大型工事受注の反動減、J.フロント都市開発(株)の前年の保有物件売却益の反動減などにより減収となった。
重点エリア戦略として、名古屋市中区錦三丁目で開発中の「ザ・ランドマーク名古屋栄」において、新たな商業施設「HAERA(ハエラ)」を2026年初夏に開業すると発表した。
「(仮称)心斎橋プロジェクト(大阪・心斎橋)」、「(仮称)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト」は、グループ各社が連携して再開発計画を推進している。
決済・金融事業の業績は、売上収益100億4500万円(2.6%増)、事業利益6億1100万円(64.4%減)、営業利益5億7800万円(62.9%減)。売上収益は、ポイント費が増加したものの、カード取扱高、加盟店事業での取扱高の拡大などにより増収となった。一方で、事業利益、営業利益は、新カード発行に伴う会員獲得費用や広告宣伝費の増加、グループカード集約化のための人件費増などにより、減益となった。
2月にPARCOカード、3月に博多大丸カードの新規発行によりグループ内カード集約が完了した。カード会員規模の拡大に向け、9月に大丸松坂屋カードで即時発行・即時利用が可能となる新サービスを開始するなど、各社と連携した獲得施策を推進している。
加盟店事業では、重点エリアを中心に加盟店獲得を進めており、グループ商業施設のアクワイアリング拡大により取扱高が増加している。
