セブン&アイnews|ACT社との協議経緯を公表
(株)セブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)は3月25日(火)、「アリマンタシォン・クシュタール(ACT)社との協議状況に関する事実関係の整理」と題した資料を公表した。3月10日(月)に株主向けレターとして、同内容の事項を公表したが、3月13日(木)、ACTが都内で行った会見を受けて改めて最新状況を公表したとみられる。
資料ではACTとの協議について誤解があるとして、とくに米国独占禁止法上の問題点に関する協議の経緯を記載している。
2024 年7 月25 日にセブン&アイがACT から法的拘束力のない買収提案を受けて以降の協議について、主に2点を挙げている。会見においてACTがセブン&アイに対して問題としたものだ、
第一にACT との協議における米国独占禁止法を理由に、提案を拒否しているとの誤解については、セブン-イレブンでは米国独占禁止法上のハードルが大きな障壁であることを深刻に受け止めていることを挙げた。
今回の案件と類似していた米国食品スーパーのクローガー社とアルバートソンズ社との統合が承認を取得できなかったことを例に、米国の連邦取引委員会(米FTC」)は、大規模な企業統合の案件に対して厳格な審査を実施することと長い時間がかかるとしている。
第二に、ACT が過去に多くのM&A を実施し、規制当局からの承認取得等についての豊富な実績と経験を有するため、米FTC からの承認に懸念はない旨の主張についてはセブン-イレブンは、ACT が過去に行ったM&A 案件との規模の違いを挙げて、米FTC による承認取得のリスクをACT 自身も負担する提案するべきとしている。
2024年10月以降、セブン&アイはACT に対して、米国独占禁止法上の懸念に対処と店舗売却の可能性についての協議を行うために、二社間での守秘義務契約(Non-Disclosure Agreement、NDA)、共同弁護契約(Joint Defense Agreement、JDA)の締結をACTに提案して、JDA のみを締結した。
2025年2 月中旬の段階で、セブン&アイがACTに、両社が協力して、具体的な店舗売却パッケージ案、複数の買主候補に対して打診するというプロセスに同意したとしている。以上から、セブン&アイはACT が米国独占禁止法上の懸念に向き合い始め、店舗売却の買主候補の特定および検討する段階に至ったとしている。