クローガーnews|アルバートソンとの合併計画とん挫/契約違反で提訴される

クローガー(オハイオ州シンシナティ、ロドニー・マクマレンCEO)とアルバートソン(アイダホ州ボイジー、ヴィベク・サンカランCEO)は12月11日(水)、合併計画を打ち切った。合併が実現すれば、総額250億ドルに及ぶ大規模プロジェクトだったが、2022年10月の計画発表から2年2カ月を経て、とん挫することとなった。

両社が合併すると、価格が上昇して消費者に不利益を与える恐れがあるという懸念から、これまで米連邦取引委員会(FTC)、8つの州および首都ワシントンがそれぞれ合併差し止め訴訟を起していた。

12月10日には、オレゴン州ポートランドの連邦地裁とワシントン州シアトルの裁判所がFTCの主張を認め、合併差し止めを命じる判決を下した。

これを受け翌11日にアルバートソンはこの合併買収を破棄し、「FTCから承認を得るための最大限の努力を怠り、あらゆる措置を講じなかった」として、クローガーに対して6億ドルの契約違約金と損害賠償を求める訴えを起こした。

アルバートソンのヴィベク・サンカランCEOは「連邦裁判所と州裁判所がクローガーとの合併案を阻止した判断により、合併契約を解除するという難しい決断を下しました。裁判所の判決には深く失望しています」とコメント。

また、トム・モリアーティ法務顧問兼最高政策責任者は「アルバートソンとクローガーの合併が成功していれば、アメリカの消費者、両社の従業員、そして全国のコミュニティに大きな利益がもたらされていたはずです。しかしクローガーは合併を成功させるという契約上の義務を果たすどころか、自らの経済的利益のために行動し、規制当局の懸念を無視した不十分な売却提案を繰り返しました。クローガーの利己的な行為は、アルバートソンズの株主、従業員、そして消費者に損害を与えました。クローガーが規制当局の認可を得るための故意に不十分なアプローチをとったために、合併の大きな利益を実現する機会が失われたことを残念に思います」と述べている。

一方でクローガー側はこの訴訟に対して、「根拠のない無意味な訴訟」だという主張を発表し、法廷で争う構えを示している。

クローガーとアルバートソンの合併は、アメリカ最大のスーパーマーケット誕生となるはずだったが、残念な結末を迎えてしまった。

関連カテゴリー

海外 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧