10月6業態統計まとめ|3業態増収3業態減収/コンビニたばこ増税で苦戦

主要業態別の10月売上高が出揃った。百貨店、総合スーパー、スーパーマーケット、コンビニの小売り主要4業態に、ショッピングセンターと外食産業を加えた動向を報告する。

10月は、外食産業+1.7%、百貨店+1.6%、スーパーマーケット+0.3%が前年を上回り、総合スーパー▲0.9%、ショッピングセンター▲1.0%、コンビニ▲1.5%は前年に届かなかった。

10月の天候はそれぞれの業態に微妙な影響を与えた。外食産業は好天によって客数が増加した。総合スーパーとスーパーマーケット、ショッピングセンターは、気温が高めだったため冬物商材の動きが鈍かったと報告している。その一方で、百貨店は気温低下で冬物商品が動いたと、真逆の結果となった。おもしろい。

ただしコンビニだけは、天候の影響よりも、たばこの増税を見越した9月の買い置き需要の反動が大きく、6業態のなかで一番苦戦した。これはコンビニエンスストア業態が他の業態と同様に、成熟期から衰退期の入り口にさしかかったからだと判断することができる。

外食産業 +1.7%
百貨店 +1.6%
スーパーマーケット +0.3%
総合スーパー ▲0.9%
ショッピングセンター ▲1.0%
コンビニエンスストア ▲1.5%

外食産業の売上高は1.7%増加して、26カ月連続で前年を上回った。好調要因は、月初めに台風接近はあったものの、比較的天候に恵まれたことで、客数が2.2%伸長したためだ。業態別では、喫茶4.4%、居酒屋4.1%をはじめ、パブ・ビアホール、ディナーレストラン、ファストフード、ファミリーレストラン全業態が前年を上回った。

百貨店の既存店売上高は1.6%増。気温の低下で秋冬商材が動いた。また、物産展などの食品イベントが集客に貢献した。改装効果もあった。日曜日が1日少なかったが、それをカバーして増収となった。国内市場は1.3%増。外国人売上高は6.5%増と23カ月連続で、10月までの累計売上高は2817億円。すでに2017年実績2704億円を上回っている。

スーパーマーケット既存店売上高は0.3%増と、7月から5カ月連続で前年を上回っている。日曜日が1日少ない曜日回りで、好天が多く気温が高かった。鍋物商材などの売上げが伸び悩んだ。この2つはマイナス要因になった。一方、プラス要因だったのは青果の相場高だ。青果は8%と大きく伸長した。

ショッピングセンターの既存店売上高は1.0%減と、3カ月ぶりに昨年を下回った。減少要因は、休日日数が前年比で1日少なかったこと、台風接近などの悪天候で客数が減少したこと、気温が高く秋物衣料の動きが鈍かったこと、映画が低調だったため、シネコンを有する店舗の集客に影響が出たことだ。一方で、ハロウィンなどのイベント効果で好調な店舗もあった。

総合スーパーの既存店売上高は0.9%前年を下回った。食料品は畜産品が4.8%減と苦戦したが、相場高の農産品が7.4%増収してカバーした。衣料品、住関品は気温が高めだったことで冬物商材の動きが鈍く、衣料品は11%減の二桁減で、住関品も0.3%減と前年割れだった。

コンビニは、たばこが増税されることを見越して、9月に買い置き需要が発生した。その反動で、10月はたばこ需要が低迷して、既存店売上高は1.5%減。5カ月ぶりに前年を下回った。しかし、客数は0.5%増加して2カ月ぶりにプラスに転じた。一方で、客数減少をカバーしていた客単価は、43カ月ぶりに2%のマイナスとなった。

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