5月家計調査|世帯支出は記録的な16.2%減/一律給付金で実収入9.8%増
総務省統計局発表の「家計調査報告」によれば、5月の2人以上の世帯の消費支出は25万2017円と、前年同月比で物価変動の影響を取り除いた「実質」でも額面通りの「名目」でも16.2%の減少となった。これは統計が比較できる2001年以降で最大の落ち込みだ。
また2人以上の勤労者世帯の1世帯当たり実収入は、現金10万円の一律給付が始まったこともあって50万2403円となった。「実質」でも「名目」でも前年同月比9.8%の増収だ。
4月7日に発出された緊急事態宣言は当初5月6日までの1カ月の予定だったが、適用期間が延長され、全面的に解除されたのは5月25日だった。不要不急の外出自粛、休校や在宅勤務などによる巣ごもり需要の影響が続き、消費行動にも大きな影響が見られた。10連休となった19年5月の消費支出の反動も大きかった。
費目別消費支出(二人以上世帯)では、「家具・家事用品」2.9%が唯一の増加だ。大きく支出が減少したのは「被服及び履物」38.3%、「教養娯楽」37.9%、「住居」26.0%。
前年同月と比べた5月の消費行動で大きな影響が見られた主な品目は、「教養娯楽」の宿泊料97.6%減、パック旅行費95.4%減、「食料」の飲酒代88.4%減、食事代55.8%で、記録的な落ち込みとなった。また、「被服及び履物」の背広服64.7%減、婦人用スラックス37.4%減、「その他の消費支出」の口紅67.3%減と、外出自粛で衣料品や化粧品への支出も大幅に減った。
一方で、「保健医療」の保健用消耗品(マスクやガーゼ)は179.5%増だった。巣ごもり需要から、「教養娯楽」のパソコン68.3%増、ゲームソフト102.8%増も大幅な増加となった。