10月百貨店統計|売上高3753億円の1.7%減/国内市場は13カ月ぶりに増収
日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、10月の売上高は3753億5741万円の前年同月比1.7%減となり、13カ月連続の減収だ。調査対象店舗は73社196店舗。
消費増税や台風の影響があった2019年の17.5%減の反動による押上げ効果はみられたが、入国規制による免税売上げの消失が、引き続き大きなマイナス要因となっている。インバウンドの売上高は91.8%減で、9カ月連続して減収だ。
一方、国内市場だけみると4.8%増と13カ月ぶりにプラスとなった。富裕層を中心に高額品が好調だったほか、物産展や会員施策の企画催事に加え、「Go Toトラベルキャンペーン」も好調要因となった。
地区別では、大都市の10都市では3.6%減だったが、仙台、横浜、名古屋、神戸の4都市では前年を上回った。また、地方(10都市以外)では、関東、中部、近畿、中国の4地区が前年を上回った。
商品別では、ラグジュアリーブランドや宝飾・時計などの高額商材が52.7%増、身のまわり品8.4%増、雑貨4.0%増。また、家の中の暮らしを充実させる傾向から、調理用品や家具、家電を含む家庭用品は13.9%と伸長した。衣料品は4.1%減。ビジネス需要は低迷しているが、カジュアル衣料や防寒商材が動いた。
食料品は6.8%減。そのなかで食品催事が堅調だった。またおせちやクリスマスケーキの予約はECが伸び、好調な滑り出しをみせている。百貨店各社では、密を回避する施策やデジタルを活用した非接触型の新たな販売方法などに取り組んでいる。