4月外食産業統計|前年比37増も19年比では20%減と回復ほど遠く
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、赤塚保正会長)が4月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は前月より4社増えて229社、店舗数は359店増えて3万7788店舗。その中でファストフードは2万1608店舗と全体の57.2%を占めている。
4月はまん延防止措置が5日から宮城県、大阪府、兵庫県に、12日からは東京都、京都府、沖縄県に適用され、さらに25日からは3回目の緊急事態宣言が東京、大阪など4都道府県に発令された。これら宣言下の地域では酒類提供が禁止となって、飲酒業態は大打撃を被った。
前年4月は調査史上最悪の落ち込みとなったため、今年の全体売上げは対前年同月比136.7%となったが、コロナ禍前の2019年対比では80.5%にとどまり、依然として厳しい。
ファストフード業態は、テイクアウト需要が堅調な「洋風」が110%(2019年比で114.0%)と牽引した。「和風」は108.9%だが、2019年比では91.5%。「麺類」は前年比が172.5%で前々年比では77.9%。
ファミリーレストラン業態の売上げは175.4%となったが、2019年比では69.0%にすぎず、依然として厳しい。テイクアウトが健闘ている、「洋風」は162.9%、「和風」が199.8%。ただしいずれもコロナ前の60%台にとどまっている。「中華」も餃子などの持ち帰り需要が堅調で140.4%(3019年比87.3%)、「焼肉」は254.9%(2019年比75.9%)と、やや回復傾向にある。
パブ・居酒屋業態は事実上の活動停止状態となった昨年と比較すると、「パブ・ビアホール」が584.2%、「居酒屋」は274.2%と膨張しているが、いずれもコロナ以前の20%台で低迷している。度重なる酒類提供の制限(時間制限・提供禁止)によって体力勝負が続く。
ディナーレストランは前年比が296%で、前々年比では46.4%。喫茶業態は229.1%。ビジネス街立地の店舗が苦戦し、2019年比では68.2%までしか回復していない。