5月百貨店統計|売上高前年同月比65.2%増も前々年比43.1%減

一般社団法人日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が発表した「百貨店売上概況」によると、5月の売上高は2465億4161万円の65.2%増だった。調査対象店舗は73社191店舗。

5月の売上高は、緊急事態宣言発出によって全国の会員店が営業自粛を余儀なくされた前年の反動で、65.2%増(増加は3カ月連続)と前年実績を上回った。しかし、新型コロナウイルス感染急拡大で発出された3度目の緊急事態宣言下での休業要請や、外出自粛による集客減の影響から、前々年比では43.1%減。4月の対前々年比27.7%減よりもマイナス幅は15.4ポイント拡がり、一段と水準を下げた。

顧客別では、国内市場は3カ月連続増加の64.4%増(シェア99.0%)でそれでも前々年比は39.5%減。一方、インバウンドは3カ月連続増加の223.8%増(シェア1.0%)だが、前々年比では91.9%減。コロナ以前の水準には遠く及ばず、厳しい状況に変化は見られない。

地区別では、主要10都市以外の「地方」が63.0%増(3カ月連続/前々年比29.0%減)、10都市の「大都市」が66.3%増(3カ月連続/前々年比48.5%減)となった。感染拡大の影響が最も深刻だった大阪は13.7%減と全地区で唯一マイナスとなり、前々年比も72.4%減と大きく落とした。

商品別では、ラグジュアリーブランドや高級時計、美術・宝飾・貴金属など高額品が好調。さらに巣ごもり需要から、精肉、鮮魚、菓子、総菜、酒類などの食料品やキッチン雑貨、リビングアイテムや寝具が動きを見せた。

外商売上げやEC売上げは引き続き、高伸した。各社が企画するWEB接客やオンラインイベント、OMO施策など、積極的にデジタルを活用した取り組みが好評で、中元商戦をはじめ、デパ地下グルメ、コスメ、ランドセル、母の日ギフトなどが好調に推移した。

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