8月SC統計 | 既存SC15.8%増/大都市・中心地域で高い伸び
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)は2022年8月の「SC販売統計調査」を発表した。
既存SC売上高は前年同月比でプラス15.8%で6カ月連続のプラスとなった。昨年8月は全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されたことから休業や時短営業の影響を受けたが、今年は宣言等の制限を受けない3年ぶりの夏休みとなったことから帰省客や旅行客などの来館が増えたことが寄与した。
2019年8月との比較ではマイナス16.1%となり、7月のマイナス10.7%からはマイナス幅が広がったが、これは同年8月の消費増税前の駆け込み需要による反動減。
テナントは、前年同月比19.0%増となった。業種別では飲食が好調。また、ファッションは下旬頃から秋物衣料が立ち上がり、好調。
キーテナントは、前年同月比4.1%増。中心地域・大都市は百貨店の売上げが牽引した一方、外出機会が増えたことにより内食需要が減少し、スーパーマーケットは売上が低調だった。
立地別では、中心地域・大都市は総合で前年同月比31.7%増。夏休みに入ったことで旅行客や地方からの来館が増え、テナント、キーテナントともに他の立地と比較して伸長率が高かった。中心地域・中都市は総合で前年同月比16.9%増となった。3年振りに実施された花火大会や夏祭りの参加客、観光客による飲食利用が好調だった。周辺地域は総合で前年同月比12.2%増。総合スーパーを中心としたキーテナントは食料品をはじめ生活必需品の値上げが売上げに影響した。
地域別では、北海道が総合で前年同月比28.0%増。時短営業や酒類提供などの制限緩和により帰省客、旅行客の来館が増え、売上げが増加した。関東は、総合で前年同月比15.8%増。前年同月に緊急事態宣言下にあった東京区部はその反動で23.1%増と大きく伸長した。
近畿は、総合で前年同月比12.2%増。行動制限はなかったものの7月からの第7波の影響もあり、大きな売上げにはつながらなかった。
北陸と四国は中心地域と周辺地域で明暗が分かれた。3年振りの祭りやイベントで来館数が多かった中心地域に対して、周辺地域では前年に比べて都市部への流動回復傾向が見られたこともあり、低調となった。