3月スーパーマーケット統計|既存店0.6%増/総売上高9894億円
一般社団法人日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ)のスーパーマーケット3団体が2月の販売実績速報値を発表した。3団体の集計企業数は270社、8353店舗。総売上高は9894億0942万円で既存店前年同月比は100.6%、全店では101.9%だった。
食品合計は9116億0392万円で既存店100.9%、全店では102.1%。生鮮3部門合計は、3365億5742万円で既存店98.2%、全店では99.2%だった。
前年との比較では、高めの気温、行楽需要や花見需要が回復した恩恵が加わったが、食品価格の高止まり傾向が続くなか、依然として買上点数の減少と一品単価上昇の影響を受ける販売動向が続いた。外出機会の増加による家庭内消費需要の減少と、節約志向による内食・中食需要の拡大という、読みにくい消費環境が続いている。
部門別では青果が1373億8255万円で既存店95.6%、全店では99.2%。玉ねぎ、じゃがいも等の土物類が前年の相場高騰の反動を大きく受けた。全体的に青果は相場安傾向で単価に下落傾向だが、買上点数の増加には結びつかず不調となった。気温が高く推移したことで鍋関連の動きが鈍かった一方、トマトなどサラダ関連野菜は前年並みの店舗が多かった。
果実も国産品は相場安の傾向だが、カットフルーツや柑橘類は好調。いちごは好不調が分かれた。
水産は852億9174万円で既存店98.4%、全店で99.7%。燃料費や養殖飼料等の高騰に加え、不漁で価格が上昇し、販売点数減が続いている。刺身類は相場高騰で不調、塩干類の動きも悪かった。鍋・おでん関連商材は気温が上昇した地域では伸び悩んだ。ひな祭りの寿司種セットは好調だった。
畜産は1138億8312万円で既存店101.5%、全店で102.1%。全般で相場高が続いており、買上点数の減少が続いていたが、豚肉や鶏肉ではやや回復傾向。牛肉では焼肉用の動きが良いが、和牛など高単価商品の動きが鈍い。豚肉は輸入品の高騰によりやや価格が落ち着いた国産が好調だった。鶏肉は鳥インフルエンザの影響による高値が続いている。低価格商品に需要がシフトしており、売上高は確保できても利益が出にくい状況となっている。
惣菜は1100億3140万円で既存店104.2%、全店で105.7%。食品価格の上昇に加え、家庭での電気・ガス代高騰や調理油の値上げの影響もあり、天ぷら、コロッケなど揚げ物類を中心に、引き続き販売が好調。行楽需要やイベント再開によるオードブル、通勤再開による夕方以降の需要回復も継続しており、米飯類の動きがよかった。寿司、つまみ類や焼鳥など、桜の開花が早まったこともあり、花見需要が好調に推移した。曜日巡りがよかったため、ひな祭り関連も好調だった。
日配は2030億6107万円で既存店103.2%、全店で105.2%。乳製品やパン類を中心に値上げが続き、買上点数の減少傾向はみられるものの、一品単価上昇により、好調に推移した。冷凍食品は引き続き好調を持続。チーズ、機能性の乳酸菌飲料など、洋日配がカテゴリーの好調を牽引した。気温が高く推移し、アイスなど涼味商材の動きがよかった。鳥インフルエンザの影響で鶏卵価格高騰が続いているが、売上高としては好調。豆腐や納豆なども単価アップにより、売上げは堅調に推移した。
一般食品は2619 億5944 万円で既存店101.1%、全店で102.3%。単価上昇と販売数量減の傾向が見られる。レトルト食品やインスタント麺など保存が利き備蓄できるカテゴリーは前年からの反動、そして食用油や調味料など家庭調理向け食品は電気・ガス代高騰による調理機会減の影響もあり、販売数量の落ち込みが目立った。一方で、行楽需要や花見需要が回復し、菓子類やアルコール類などが好調。気温が高く推移したことで、飲料の動きもよく、不振の続いていた米類にも、回復傾向がみられた。
非食品が568億3709万円。既存店98.5%、全店で99.0%。マスクやハンドソープ、除菌関連などの衛生用品の需要減少、家庭用洗剤やトイレットペーパー、キッチンペーパーなど紙製品も動きが鈍い。カセットコンロやレジャーシートなど行楽向け商品は好調に推移した。全般的な値上げの影響を受け、ドラッグストアなど競合業態への流出が一層強まった。
その他が209億6349万円で既存店96.6%、全店で98.9%。
エリア別では九州・沖縄地方の101.4%、中国・四国地方101.0%、北海道・東北地方100.9%、中部地方100.8%、関東地方100.5%、近畿地方100.3%といったように全エリアで既存店伸びが前年を上回った。