10月百貨店統計|売上高4477億円0.7%減/32カ月ぶりにマイナス
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2024年10月の「全国百貨店売上高概況」を発表した。調査対象は、70社178店。
10月の売上高は4477億4569万円で前年同月比0.7%減、店客数0.6%減と、共に前年実績に僅かに届かなかった。売上高は2022年2月以来、32カ月ぶりにマイナスとなった。
10月は、増勢が続くインバウンドと、ラグジュアリーブランドなどの身のまわり品や化粧品は伸長したものの、夏日が続く記録的な高温により秋冬物商材が苦戦した。また日曜日が前年より1日少なかったことなどもマイナス要因となった。
地区別(都市)では、0.5%増とわずかにプラス。福岡、大阪など5地区では対前年プラスとなり、37カ月連続で増加した。インバウンド需要と高付加価値商材などが牽引した。
しかし地区別(10都市以外の7地区)では4.8%減。全地区で前年割れし、2カ月ぶりにマイナス転換した。都市と地方の差は、前月より4.5ポイント拡大した。
商品別では、主要5品目のうち、「身のまわり品」と「雑貨」の2品目で前年実績をクリアした。ラグジュアリーブランドのバッグ等革小物は引き続き伸長している。「化粧品」はスキンケアやメイクアイテムのほか、限定品の人気も高く、国内外共に好調だった。
主力の「衣料品」は、天候要因からコートなど重衣料の動きが鈍く、苦戦。また「食料品」も、価格高騰などの影響から前年割れだった。ただしその中でも、菓子はインバウンドやギフト需要で健闘した。物産展等人気の食品催事も好調に推移した。
毎年、各社が趣向を凝らし展開しているおせちやクリスマスケーキの予約は、堅調な滑り出しとなっている。