CVSヘルスnews|シュナックス・マーケットの調剤薬局部門を買収
米国のCVSヘルス(ロードアイランド州、ラリー・J・マーロCEO)は3月10日、中西部でスーパーマーケットを運営するシュナックス・マーケットの110の調剤薬局部門を買収すると発表した。この買収によってCVSヘルスの店舗は全米で約1万店となる。
CVSヘルスは、シュナックス店舗内の99薬局をCVSファーマシーとして直接運営する。残りの11薬局の処方箋ファイルは隣接したCVSファーマシーに移転する。
CVSヘルスには薬局はもちろん、簡易クリニック「ミニッツクリニック」が併設され、個々人に応じたファーマシー・サポート・プログラムを展開する。最適な治療を推奨し、医療費の節約をしながら、慢性疾患を抱える患者に対するケアをしてくれる。シュナックスの顧客にとってこの革新的な薬局がもたらすサービスは有難い。一方、CVSヘルスも中西部に強固な地盤を築くシュナックスの店舗網を受け継げるメリットは大きい。
CVSヘルスは2015年6月にターゲットの薬局部門を19億ドル(1ドル100円換算で1900億円)で買収している。それまでディスカウントストアやスーパーマーケットは、調剤薬局を持つことで顧客にワンストップ・ショッピングの利便性を提供してきたが、近年、小売薬局業界の競争が激しくなってきている。そのため、薬剤師などの人件費がかさむ薬局運営より、主力事業の食品販売にフォーカスした方が経営上有利と考える企業が増えてきている。
シュナックスは薬局を併設したコンビネーションストア型の食品スーパーマーケットで現在、ミズーリ州、イリノイ州、インディアナ州、ウィスコンシン州、アイオワ州に112店舗を展開する。社員13.5万人を抱える家族経営の企業で、フォーブス2019年の企業ランキングでは155位、食品小売業では16位に位置する。