ウォルマートnews|LBUで大学の授業料・書籍代を全額負担

ウォルマート(アーカンソー州ベントンビル、ダグ・マクミロンCEO)は 7月27日、「リブ・ベター・ユー(Live Better U:LBU)」という教育プログラムを通じて、アソシエーツのための大学の授業料と書籍代の全額を負担すると発表した。

同社はこのプログラムも含め、アソシエーツのキャリア構築のためのトレーニングや人材開発に対して、今後5年間で10億ドルを投資する。

 

LBUプログラムは 2018年6月、国内で働く約150万人のアソシエーツのために設けられた。このプログラムでは、無料のSAT(大学能力評価試験)やACT(共通適性試験)の準備プログラム、高校生への給付奨学金、6つの非営利大学の学費補助、無料の言語教育、大学院の学費補助などを行っている。

2020年6月、採用当日からこのプログラムへの申請が可能になると、学生は2万5000人以上に、卒業生は3500人以上に増えた。2021年2月には、小売業、英語、テクノロジーなどのプログラムも追加された。2021年7月には、学生は5万2000人以上、卒業生は8000人を超えている。奨学金が適用される大学も4大学が加えられ、全米で10校となった。

当初、アソシエーツは1日当たり1ドルを授業料として支払ってブランドマン大学、ベルビュー大学などで勉強した。1ドル以外の残りの学費は、ウォルマートが負担した。経営管理、サプライチェーン、輸送、ロジスティクスマネジメントなどの分野の学士号や準学士号を取得できる講座を中心に、サイバーセキュリティや計算機科学などの先端分野の講座も提供している。夜間や週末にはオンラインでの受講などフレキシブルに勉強することが可能で、学べる科目も随時増やしてきた。今年8月16日からはアソシエーツの学費負担はなくなる。

フォーブス誌によると、2020年の学生ローン残高は1.56兆ドル(1ドル100円換算で156兆円)、学生数は4500万人と報告されている。バイデン政権下でも債務の免除を検討している社会問題の一つとなっている。

アマゾンでも「キャリア・チョイス」と呼ばれるプログラムを入社後1年以上の社員に提供しており、学費の95%までをアマゾンが負担する。

最近求人難になっている小売業界では、優秀な社員をつなぎとめることが新規採用以上に重要になってきている。

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